23区にある銭湯としては駅から離れた場所にあり、住宅街の入り組んだ場所にある。
高円寺に住む自分は自転車でここまで来たので駅やバスの経路を経験していないが、
銭湯がある場所としては区内では駅からけっこう遠い部類に入る。なので駐車場も
整備されており、自動車の方も安心して来る事ができる。
吉の湯はいくつか目立った特徴がある銭湯で、平成19年(2007年)4月に建て替えたにも
関わらず、まず外観が破風造りであるということだ。これは、元来の東京銭湯の外観であり、
新しく建て替えても文化を大事にする心意気は粋だと思った。
中に入ると若くて美人の女性がカウンターにいて、靴箱の鍵を渡すと、ロッカーの鍵を渡してくれた。
現在の銭湯は大体がこの方式をとっておらず、靴の鍵は自分管理、ロッカーも自分で選ぶというのが一般的。
実際のところ、カウンターで鍵を割り当てられる方式が両者にとっても損失の可能性が少なくて良いが、
これはある程度カウンターにスペースがないと難しい。つまりここは広いといいたかった。
ロビーは、椅子と机がいくつか置かれており、マッサージチェアが置かれ、壁に薄型液晶がかけられている。
また、自動販売機があり、番号を押すとレールが動いて番号まで取りに行く自販で、学生の頃に何もない
ところの番号を押してしまって動作だけした淡い思い出が蘇ったりもした。。
脱衣場に入りトイレに行くと、すごい広いトイレだった。平成に入り改築や新築された建物の多い
例として、アクセシビリティに配慮した建築方法が多く見られる。これも一つの例だ。
浴室には、ミドルエステ、ショルダーエステ、ボディージェット、電気風呂などがある。洗い場のシャワーには
他の銭湯との違和感を感じた。その違和感とは、押したすぐに出る温度が一定でないことである。
続いて、何といっても吉の湯の最大の名所であると思われる露天風呂である。都内最大級の広さを持ち、
その広い露天スペースには、サウナと水風呂、高濃度炭酸泉、五右衛門風呂が2つある。
天井を見上げると格子状に木が組み立てられ、住宅街にありながら外部からの視界を封じ、
そして太陽の光を浴びれるように設計されている。近くには送電線の白い鉄塔が見られる。
高濃度炭酸泉は名の如く炭酸のようで、泡が体に絡みついてくる感じだ。そして、五右衛門風呂を見たときは驚いた。
もはや、この銭湯はスーパー銭湯の部類に近すぎる銭湯。これで450円(サウナ除く)というのも凄い。
手ぶらセット100円(フェイスタオル、リンスインシャンプー、ボディーソープ)、サウナ(入浴料込み)800円。
23区にある住宅街に隠れたスーパー銭湯に近い銭湯ということで、この銭湯は多くの方に一度お勧めしたい。
訪問日:2009年07月/東京銭湯巡礼・個人的第84番目札所