誰にも言わない
如月の様子が変だ。いや、いつも変だけれど、今日は群を抜いて変だ。泣きそうな、笑いそうな、怒り出しそうな、なんとも曖昧な表情をしたままベッドの上にちょこんと座り、頬杖をついて、窓の向こうを見てはため息を吐く。時折絡みやすい細いその髪の毛をぐしゃぐしゃにしてみたり、ぱたりと横になってみたり。ずっともぞもぞしている。おかしい。絶対変だ。
「如月、どうしたの、」
「なにが、」
「変だよ」
へん…と呟いた如月は次の瞬間こう言った。
「変と恋って…似てるよね」
変だ。絶対変だ。どうかしている。
春眠は暁を覚えず、春は恋を運ばず、ただ変にしてしまった。
どうしたっていうの?