白い存在






紅、アカ、真っ赤。
あまりにそれが鮮やかすぎて、
見惚れていたのかもしれない。


気配も消せないただの下忍の、
よりにもよってコイツに見られるなんて。


「シカ、マル・・・?」


ナルトの、驚きに満ちたカオ。


ぞくぞくする―――――


「ナニ・・・してんだってばよ・・・?」
「見てわかんねーのか?」
「・・・っ」


判りたくない、
そう訴える瞳。


少し、恐怖を覗かせて。


「ヒト、殺してんだよ」


その瞳が見開かれる様子が、
たまらなく愛しい。


「なん・・・で・・・・・・?」


オレにはもう無い、その純粋さ。


眩しいほどの


“白”


「殺したいから」


そう言って薄く微笑めば、
返ってくる対照的なカオ。


「くっ・・・嘘だよ。任務だよ、任務」


たまらなく愛しい、


「任、務?」


震える、声。


「なんの・・・」
「暗部」


その仕草1つ1つが
オレを魅了する。


「聞いたことくらいあんだろ?」
「・・・シカマル、が・・・?」
「あぁ」


一言発して、黙り込んで。
何か考えて、また言葉を紡ぐ。


「いつから・・・?」


オレを、見つめる。


「ずーっと昔」


オレが微笑えば微笑うほど、


悲しげなカオをする。


「イヤじゃ、ないのか・・・?」


泣きそうな、カオをする。


「そんな感情、忘れたね」


そしてそのまま


「ナル、ト・・・?」
「オレは嫌だ!!なんでシカマルがそんなこと・・・っ!!」
「お前にゃ関係ねーだろ・・・」


いきなりオレに抱きついて、きて。


泣いてる、のか・・・?


「そんなことないっ!!シカマルは・・・友達だ!!」
「・・・そーかよ」


そういうこと簡単に言うなよ・・・


「そーだよ!!」


もっと泣かせたくなるだろ・・・?


「じゃあ、お前がナグサメテくれよ・・・なぁ、ナルト―――――?」









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暗部って何?という程度の知識の者が、途中で「あ、暗部って仮面してんだっけ?」などと疑問を覚えつつも気にせず書き進めてみた一品にございます。
スレシカ・・・ってーか鬼畜?もしくは変態?;
書きたかったものとは離れてしまったらしいです当時の私。スレは難しいなぁ・・・。



2006/5/30


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