君がいるから ついこの間までは、僕の腰ほどの高さしかなくて、僕の後ろからちょろちょろとついてきていたのに。 ツンツン 「どうしたんですか?ティム」 僕の服の裾を摘んで引っ張る動作もまだたどたどしくて、言葉も、舌ったらずで。 でもその瞳は今も変わらない。 「アレン」 「はい?」 「アレンはボクが護るからね」 変わらない、強い想いがある。 「あれ?ティムキャンピー、ちょっと成長しました?」 「ホント?!」 「あー?そう簡単にでっかくなってたまるかよ」 その頃、僕の隣にはもう神田がいて。 2人はこの頃から仲が悪かった。 「なるよ!今にアレンよりおっきくなって、どっかの神田みたいな奴からアレンを護るんだ!」 なんて、可愛いことを言ってくれていたのに。 どうして、こんなに大きくなってしまったんだろう。 「アレン、泣いてるの?」 そう言って僕の額にキスを落とすティムは、僕の身長なんかとうに追い越していて。 声も、いつの間にか僕より低くなった。 「なっ・・・泣いてなんかいませんよ」 「嘘。・・・神田が、いないから?」 「泣いてませんってば!」 ふっと、後ろから優しく抱きしめる腕は力強く。 「覚えてる?言ったよね、アレンはボクが護るって」 優しい声と優しい言葉と。 それは僕の求めるものとは違うけれど、2人ともそれを理解っていて・・・だから僕は嘘をついた。 「神田なんか、いなくても平気です」 「嘘」 「僕にはティムがいればいい」 「嘘・・・」 ティムの腕に縋り付くように抱き締め返すけれど、僕が本当に必要なのはやっぱり彼で。 その彼は今ここにいない。 暖かいティムの腕に抱かれ、僕はいつの間にか眠ってしまっていた。 「アレンは渡さないよ」 ティムの声に目を覚ませば、ティムは映像を介して誰かと話をしている。 誰と話しているの・・・? 『モヤシ?!』 映像の向こうの彼が、独特の呼び方で僕を呼ぶ。 そんな呼び方をするのは――――― 「神田・・・?」 神田だ。神田が、今そこにいる。 「起きちゃった?ごめんね」 「ティム、何で、神田」 動転した僕の言葉はうまく繋がらない。 『モヤシ』 待ちわびた変わらないその声に呼ばれ、鼓動が跳ね上がる。 『あ、・・・会いたかったぞ』 普段は言わないような、甘い言葉。 ティムに何か言われたのだろうか。 「僕もです・・・」 どれだけ会いたかったか。この気持ちはきっと神田にも分からない。 「神・・・」 僕が映像に駆け寄って神田の名前を呼ぼうとした瞬間、僕の体が何かに引っ張られる。 気がついたら僕はティムの片腕にしっかりと抱きしめられていた。 「ティ・・・」 『ティムキャンピーてめぇ!モヤシに何してやがる!!』 映像の向こうから、聞き慣れた怒鳴り声。 僕は何だかそれだけで嬉しくなってしまって、このままでもいいような、そんな気になっていた。 「聞いてなかったの?言っただろ、アレンは渡さないって」 「えぇ!?」 『こらてめぇ!!そいつは俺のもんなんだよ!!』 あかんべーをするティムと、映像の向こうで六幻を振り回す神田。 そんな2人に挟まれて、僕はいつの間にか笑っていた。 |
初のDグレが擬人化でティムアレってどうなの・・・ と思いつつも、思いついてしまったものは仕方がないのです。生まれて初めて擬人化で萌えました。ティムキャンピー万歳(笑) ちなみにこの擬人化ティム、哀沢君がキャラデザしてくれたんで、いずれUPしたいなーと目論んでいるのですが。いつになることやら。 ところで私の本命はラビアレですよー。あれー?(笑) |
追記:擬人化ティム絵(画・哀沢、色・碧翠)UPしました→こちら |