幼い頃から頭が良くて。 大人の言うことすら馬鹿にしていた。 けれど 馬鹿にすることすら馬鹿げている、そんな子どもに出会った――――― 感謝 「はぁ?馬鹿かお前」 「バカじゃねーよ!!オレってばオレってばホントにマジで天っ才なんだってばよ!!」 道端で自分の天才振りを情熱込めて語るこの子どもこそが、シカマルが唯一自分を見せることを許した相手である。 名はナルト。 その体に九尾の狐を封印されている、いわくつきの子どもだ。 (コイツがねぇ・・・) シカマルは初めてその子どもを見たとき、そのあまりの能天気ぶりに目を疑ったという。 (これが本当にあの、大人達が疎んでいる九尾の狐だってのか?こんなのが?) けれど、そんな見せ掛けの能天気さの中に渦巻く闇に、いつしかシカマルは気付いていった。 自分がその闇を持っているからこそ、自分だけはその闇を感じ取ることが出来たのだと、今でもそう思っている。 「ナルト・・・」 「ん?なんだってばよ?シカマル」 自分に笑いかけるナルトに、本当の自分を見せることを躊躇う。 この笑顔を失いたくない。 けれど、自分の闇をわかってもらいたいと、そう願う気持ちには勝てなくて・・・ 同じ闇を持つナルトだから、ナルトにだけはわかってもらえる、そんな気がした。 「・・・でもよ、シカマルはシカマルだろ?この世界にシカマルは1人なんだし、シカマルがどんな奴だろーとそれがシカマルなんだからいーんじゃねーの?」 それはきっと、ナルトこそが誰かに言ってもらいたい言葉なのだろう。 それでも、それはシカマルの心を開かせるには充分すぎるほどの力を持っていた。 ナルトのおかげで。 ナルトがいるから。 昔の、闇に埋もれた自分をナルトが救い出してくれた。 今はもう、誰も彼も馬鹿にして世界を蔑んでいた頃の自分ではない。 「ナールートー・・・」 「ん?」 「いーかげんにしねーと堕とすぞテメェ」 笑顔でそんなことを言えるのもナルトのおかげ。 ・・・昔は、これが冗談では済まされなかったから。 「冗談キツイってばよーシカマルぅ・・・」 あは、あはは・・・と乾いた笑いを漏らすナルトにつられて自分も笑い出してしまうような、そんな穏やかな感情は持ったことがなかった。 ナルトに出会うまで。 こうやって笑っていられるのも、ナルトのおかげ。 世界が少し優しく見えるのも、ナルトのおかげ。 だから 最大級の感謝を君に。 「ありがとよ・・・」 |
スレシカリベンジ!のはずが・・・ただただほのぼのしている話になってしまいました・・・スレは難しいです、ね・・・。 |