哀しみの言葉 ――――――夢を見た。 穏やかな顔でいつものように優しく微笑う姿。 最後にただ、困ったような申し訳なさそうな顔で「ごめんね・・・」とだけ言い残して。 動かない足に苛立ちながら、去り行く背中に向かって俺は必死に同じ言葉を繰り返した。 何度も何度も、繰り返した――――― 目覚めてから気付く。 そんな言葉はもう何の意味も持たないのだと。 ならばどうしてそんなにもそれを繰り返したのか――――答えは見えない。 一つ理解ることは、感情が追いついていないこと。 本当は声をあげて泣きたかったのに。 いつもそうだ。泣きたいのだと気付いたときにはもう泣けない。 手の届かない所まで先に行ってしまった。 追いかけるわけにはいかない所まで。 どうすればいいのかなんて、わかるはずがない。 結局、俺はナルミアユムに期待しているのだ。 ナルミアユムがカノンの死を無駄にしないと。 カノンの死には意味があると。 そう思わなければ自分を見失いそうになる。 手放してしまいそうになる。 それでは、ダメだ。 ――――夢の中でカノンは言った。 ごめんね、僕は先に行くよ でもずっと待ってるから 君は君のやるべきことを終えたら、おいで また一緒にお茶でも飲もう ――――だから俺はカノンの所には行けない。 やるべきことがまだ見えないから。 俺のやるべきことは何だ――――? 俺はどうすればいい? ナルミアユムが教えてくれるのか? どうすればいい、カノン――――― |
久しぶりに書いたカノアイ。(それで死にネタで初UPカノアイってどうなのよ。) カノアイはどっかノート探せば結構いっぱい書いてあったりします。いつかUPするかもしれないけど今は特に需要もないのでお蔵入り。(これもお蔵入り寸前でしたけどね。なんとなくUPしてみました。) |