決められた運命 「世の中決まりきったことだらけや」 どこか呆れているような、冷たい声。 「そう、思うやろ?」 今の今まで寝転がって新聞を読んでいたと思ったら、いきなりこちらを向いてそう聞いてきた。 薄笑みを浮かべて。 「だとしたら、俺たちは道化師だな」 冷静に切り返す。切り返せているはずだ。 運命を変えるために、決められた未来を壊して自分で未来を切り開いていくために戦うと決めた。 しかし、この世の中自体が決まりきったことしかないのなら、それすらも無意味な決意になってしまう。 「俺は・・・戦うと決めた。踊らされて終わるつもりは無いんだ」 決まりきった運命から逃れるために。 目の前のコイツを、殺さないために。 「そか」 一言だけ呟いて、火澄はまた新聞に目線を落とす。 納得はしていない様子で。それでも構わないといった様子で。 「どうして・・・」 「何が?」 こちらを見ないまま、俺の言うことなんてどうでもいいかのように軽くあしらう。 どうして諦めようとする? もし、諦めることさえお前の運命なのだとしたら、俺はお前の気持ちを変えるところから始めなくちゃならない。 納得の行かないまま終わりになんてしたくはないから。 「・・・決まりきったことなんてないさ」 そう思うことが、運命を変える第一歩だと思う。 だから、お前にもそう信じて欲しい。 思い込みでいい。思うだけでいい。 その気持ちが、きっといつかそれを真実にする。 「だから、自分の好きなように生きたっていいんだ」 「・・・え?」 火澄がこちらを見る。驚いたように。 ―――――ほら、変えられないことなんてない。 変えようのないことがいくつかあったとしても、少しずつなら変えていける。 そう信じることが運命を壊すための第一歩。 変えられると信じること。それが始まり。それが全て。 少しずつ変えていけばいい。 少しずつそう思えるようになればいい。 いつか、決められた運命に別れを告げるために。 |
1つ目がほのぼのだった反動か、打って変わってシリアスです。(多分。) シリアスと言うより訳分からん文章って感じですが・・・とりあえず火歩?火歩か?これ・・・ えーと・・・ 火歩万歳。 |