『忘れないで、それでも僕は好きだから』 双子 キラと私は双子同士なのだと。 キラのことが好きかもしれないと思った矢先に告げられた事実。 それをキラに話したら、あいつはそのことをどう感じたのかなんて分からないような顔 で、少なくとも驚いてはいたようだ。 実の姉弟だというのなら、この気持ちは忘れるしかない。 そう思っていたのに、キラは違った。 「カガリっ!」 私の腕を掴んで、呼び止める。 その顔は少し上気していて。 「こんなときにごめん、でもどうしても伝えたいことがあって・・・」 キラは私の腕を離さないまま話す。 「僕、カガリのことが好きなんだ」 ――――何を、言っているのかと思った。 「そんなの、初めて聞いたぞ」 「だって誰にも言ってないから」 ずるい。今までそんなこと微塵も言わなかったくせに。 「何で今更・・・」 キラは私の呟きにすかさず反論してくる。 「何が今更なの?」 ・・・“何が”?“何が”って言った? コーディネーターって馬鹿なのか?! 「お前、私の話聞いてなかったのか!?私たちは姉弟なんだぞ!?」 「だから?」 あぁ、やっぱり馬鹿なんだ。 「好きになったってしょうがないだろ!!」 せっかくこっちが諦めようとしてるのに。 こいつはいとも簡単に私の気持ちを揺るがす。 好きになったって、しょうがないじゃないか。だって、姉弟なんだから。 「どうして決めつけるの?」 「なっ」 そういう問題じゃないだろ?!だって姉弟なんだから!! 「血が繋がってるのって、そんなに悪いこと?」 「悪・・・くはないけど」 論点がズレてる気がする。 「じゃあ人を好きになることって、そんなに悪いこと・・・?」 悪くない。悪いことのはずがない。 「だったらいいじゃない。僕はただ、カガリが好きなだけだよ」 キラに掴まれたままの腕が、熱い。 分かってる。こんなの間違ってる。 でも、どうしてもキラの言葉を受け入れたい私がいるんだ。 「私も・・・」 言いかけてハッとする。 何を言うつもりなのか? 言ってはいけない。それは言ってはいけない言葉だ。 私がそうやって迷っていると、キラは悲しそうな顔で微笑った。 「今すぐに、返事が欲しいとか、決めてほしいとか、そういうつもりじゃないんだ。・・・ごめん、でも」 一瞬、キラが私の瞳の奥を覗くような鋭い眼になる。 それが少し怖くて、ドキドキする。 けれどすぐにいつもの顔に戻って。 「忘れないで、それでも僕は好きだから」 そう、言った。 どうすればいいのかなんて分からない。 けど、キラを好きな自分に嘘をつくことは、もうできない――――― |
キラカガ〜。 今更このネタかよ、という感じですが(笑) 書いちゃったものはまぁしょうがないということで。キラカガ大好きですv |