痛い恋愛七題(各タイトルの右に白文字でコメントあります。)






■あなただけ・・・鬼畜銀ちゃん。ごめんなさっ(逃)


あなただけ
あなた1人がいればいい
他の何かなんて望まない
あなただけがいればいい――――


「オレにはもう、お前しかいねぇんだよ」
そう蛮ちゃんが言ったから。
「でも・・・オレには捨てられない仲間がいる」
そう答えてみたら、予想通りすごく傷ついた顔でオレのことを見ていた。
愛しいその唇が泣きそうに歪む。
「そうだな・・・お前はそういう奴だ。だから、誰もが独占したがる」
嫉妬心と独占欲の込められた言葉。
“お前はオレのもんだ”
その期待を裏切ったら・・・次はどんな顔をしてくれる?
「オレは誰にも独占なんかされないよ」
無邪気な銀次。あくまでも笑顔で。
同じ台詞でも、言い方ひとつで印象が変わるでしょ?
「変な蛮ちゃん」
可愛い蛮ちゃん。
あなただけ愛してあげる。
あなただけ虐めてあげる。
だから可愛いその顔で、オレに全てを預けてね。
ずっとオレだけを見ていてね。
他の誰かに奪われないように――――






■愛してくれなくても・・・打って変わって白い銀次。むしろM?


例えあなたがオレのことを愛してくれなくても――――


「蛮ちゃん・・・蛮ちゃんってば」
「ん・・・」
「ほら、もうお昼だよ?起きてよぉ蛮ちゃん」
再三起こされたことに痺れを切らしたのか、蛮ちゃんがゆっくりと目を開ける。
深い蒼色の瞳がオレを捉えて、うっとおしそうにオレのことを見る。
――――分かってるよ。必要以上には干渉しない。
それがオレたちの約束。
オレたちの間には、何もない。
「起きた?じゃあオレちょっと買い物してくるから、後頼むね」
オレと蛮ちゃんはパートナー。
それ以上でもそれ以下でもない。
それ以上を望むこともない。
だから、この胸の痛みはきっと、気のせい。
「オイ」
「何?」
あなたのその声が、あなたのその瞳が、オレの心を捕らえて放さない。
例えあなたがオレを切り捨てたとしても。
「たばこ買ってこい」
「うん」
例えそれだけの存在だったとしても。
それで、充分。
あなたが生きていて、オレが生きていられるのなら、それで充分。
だからせめてオレを殺さないでいてね。お願いだから。
愛してくれなくてもいいから。
できれば、傍にいさせてね。






■僕を捨てるのは・・・壊れている蛮ちゃん。弱い蛮ちゃん。


あなたはオレを捨てますか――――


『お前じゃなくてもいいんだよ』
夢の中で言われた言葉。
母親を髣髴とさせるような冷め切った言葉。
それは本当に夢?それとも現実?
「銀次・・・」
手の中にある温もりだけじゃ足りなくて、オレはあなたの名前を呼ぶ。あなたそのものを求める。
「オレを、捨てないで・・・」
うわ言のように繰り返す言葉。
けれど受け入れられることはない言葉。
「捨てないよ」
そういって微笑うあなた。
それはまるで悪魔の微笑み。
「捨てるわけがないじゃない、変な蛮ちゃん」
ああ、だったら――――
ずっと傍にいてくれますか?
ずっと愛していてくれますか?


ずっと生きていてくれますか?


「オレを・・・捨てないで・・・」
あなたはオレを捨てますか?
あなたはオレを捨てますか?


捨てたら拾ってくれますか?






■死んでも傍に・・・狂ってる銀次。


ずっとずっと離さないから――――


「蛮ちゃん・・・」
愛しい愛しい君の名を、呟くように抱きしめる。
虚ろな瞳をした君の手を、そっと優しく毟り取る。


例えば君がいなくなっても。


例えば君が逃げ出しても。


例えば君が狂っちゃっても。


ずっとずっと傍にいるよ。
死ぬまでずっと傍にいるよ。


死んでもずっと、傍にいるよ――――






■この想いごと・・・これ、蛮と銀とどっちだと思います?;


もしも許されるのなら、
この想いごとオレを愛してください。
他の人を想っていたこのふしだらな想いごと、まるごとオレを愛してください。
あなたが愛してくれるなら、他には何も望みません。


だから、どうか。この想いを消さないでください。


この想いを許してください。






■休まず愛して・・・弱い蛮ちゃん。強くない銀ちゃん。


ずっとずっとずっと
休まずオレを愛して
この体も
この瞳も
全部お前にあげるから
代わりにオレを全部愛して
お前の愛だけを感じさせて
他の何かに捕らわれないように――――


「ねぇ、何を・・・そんなに怖がるの?」
「何が」
「何がじゃないよ!怖がってるじゃない!ずっと、何かに怯えてる!それくらい・・・認めてよっ」
怯えてる?このオレが?
「だったら・・・」


怯える暇もないくらいに
休まずオレを愛して


愛し続けて――――


「そんなの狡いよ・・・」


何が?


「蛮ちゃんは弱いくせに、それを見ようとしない」
・・・だって
誰だって、見るのは怖いだろ?
「弱さを認めないまま強くなろうなんて・・・狡いよ」
じゃあオレは
どうすればいい?
「認めてよ・・・蛮ちゃんの弱さも・・・オレの弱さも・・・」


「銀次の、弱さも・・・?」
「認めてよ・・・」


認めるのなら
そのための強さをオレに
「認めてよっ、オレはそんなに・・・」
誰か与えてくれるのか
「そんなに強くないんだよ・・・?」
強さをくれたあの人は
もうオレの前にはいないのに


「だけど、お前だけを見ていたいんだ・・・」


他の何かに捕らわれないで
銀次だけがいれば、それでいいと
「オレには無理だよ・・・っ」
銀次だけ見ていれば
オレは大丈夫だと
「オレには蛮ちゃんの弱さを受け止めることなんてできないよ・・・!!」
それでいいように
銀次だけ見ていられるように


他の何かを忘れるために


「銀次・・・」
お願いだから
オレのことを休まず愛して


他の全てを忘れさせて






■君は僕だけの・・・このお題だけ下書きなし一発書き。厳しい・・・。


銀次がオレに手を伸ばす。
触れないまま、彷徨う。
惑う瞳でオレを見る。
わざわざ確認しなくたって、オレはお前のもんだぜ?


蛮ちゃんがオレを見ている。
そのまま、微笑う。
何がそんなにおかしいの?
オレが蛮ちゃんを愛していることが、そんなにおかしいの?


触れてこない銀次の手を、奪うように引き寄せる。


引き寄せられたままに、体温を預ける。


重なった体がそれを示している。


君はオレだけのもの。
オレは君だけのもの。


オレ達は、オレ達だけのもの。





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上6つは大分前からちょこちょこ書いていたものですが、最後のだけ今書きました。なのでちょっと雰囲気が違う・・・?そんなことはない・・・?あれ、成長してないってことかしら。うーん。



2006/4/18


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