ECO=System 『バランスの取れた共存の仕組みで、君に触れることはもうできない』 どうして僕たちは出会ってしまったのだろう・・・ どうして僕たちは姉弟なのだろう・・・ 知らなければ、出会わなければ、こんな想いをしなくてすんだはずなのに。 出会えたという幸せが、こんなにもちっぽけなものだとは今まで全然知らなかった――――― カガリが結婚するという。 自分の気持ちを押し殺した手紙からは、悲痛な想いが伝わってくる。 そのおかげで決心がついたのだけど。 「国家元首・・・?関係ない!カガリは渡さない、誰にも!!」 『見えない鎖を断ち切るその時、過ちを課す覚悟を決めた』 自分の気持ちに嘘はつけない。カガリにも、ついてほしくない。 だから、本当の気持ちを言って? 『傷はいつか君を護る強さに変わる』 「ダメだ・・・」 「おねがいだから・・・」 「・・・っ!」 泣きそうな顔で、それでも僕を拒絶しきれないでいる。 そんなに不安がらないで。大丈夫、僕が護るから――――― 『刺さるような人の目も構わずに、抱き合おう』 お願いだから、嘘なんてつかないで。 ほら、一緒に堕ちようよ――――― 『近づいて。このままじゃ耐えられないのなら。その胸で押し殺す声をそっと聴かせて―――――』 言って。他のことになんか構わないで。 僕は言うから。カガリが独りで抱え込まなくていいように。 『避けて通る人の波気にせずに、抱き合おう』 「お前は・・・っ!お前はいいかもしれないけどっ!!」 だって、カガリの悲痛な叫びを聞いてそれでも見守ってあげられるほど、僕はオトナじゃない。 「うん、でも、カガリだって、僕の前ではただのカガリだよ」 言って。カガリの本当の気持ちを。聴きたい。 『その胸で温めた言葉を口にして』 言って。僕だけだなんて、もう辛いんだ・・・ 「キラ・・・」 「ごめん・・・」 カガリは何も悪くない。そうだとしたら、悪いのは僕? 僕がオトナになればいいのかもしれない。でも、オトナじゃない僕は、カガリが苦しんでいるのが嫌なんだ。 「ゴメンね、カガリが本当は何を望んでいるのかなんて、僕はわかっちゃいないんだ」 「だからっ!私はこの結婚を望んでいるんだ!」 「だって・・・そんな顔で言われても信じられないよ」 言って。どうすれば苦しくないか。それがどんなに無茶なことでも、言ってくれれば僕が叶えてみせるから。 だから、本当の気持ちを言って――――― |