現パロ小十佐18禁SS「臥薪嘗胆の会」02(完)
- 2011/12/04 21:08
- Category: 小十佐::SS現パロ18禁「臥薪嘗胆の会」
※R-18の性描写を含みますので、閲覧の際は十分ご注意ください※
片倉君の大きな手が俺のペニスを扱く。
大きくて無骨なくせにその動きは酷く細やかで、俺はあっという間に射精寸前まで追い上げられる。
「ちょっと…タンマ…」
「どうした?もういきそうか?」
片倉君がくっと口端で笑う。
俺はむっとして、彼の手を両手で掴んで引き剥がそうとした。しかしびくともしない。
「いいから、じっとしてろ」
片倉君が俺の乳首に歯を立てた。思わずびくりと背を仰け反らせる。
そのまま舌で芯を転がされ、俺はたまらず声を漏らしてしまう。
セックスのたびに彼に執拗にいじくり回され、俺はすっかり乳首で気持ちよくなるようになってしまっていた。
「あ……っ、あっ、あ、」
「お前、本当にここが好きだな……」
片倉君があきれたような声を出し、俺の内股をざらりと撫でた。
「足、広がってるぞ」
「え……」
そう言われ見てみると、俺は自分でも知らないうちに足を大きく開き、受け入れる姿勢を取っていた。
今の俺はまるで雌の動物だ。それか、自分より強い雄にマウントポジションを取られた弱い雄。
己の有様がさすがに情けなくなり、顔が赤らむのを感じる。
「もうやだ、あんたみたいに意地の悪いやつとやりたくない」
身を捩って彼の身体の下から抜け出ようとしたが、両手を掴まれ床に縫い止められた。
片倉君は左手だけで俺の両手を封じ、右手を傍らのキャビネットに伸ばす。
ローションの瓶を取り、右手だけで器用に蓋を開け、俺の下腹に中身を滴らせた。
「んっ……何……」
「お前、俺より先に出すのが嫌なのか」
「…そりゃあね、」
堪え性がないだの早漏だのとからかわれるのは誰だってイヤだろう。
「なら、出さないまま気持ちよくしてやる」
そう言うなり、彼は中指を俺の後ろの孔に差し込んだ。
「うああ……っ!!」
突然の異物感に身震いする。
そんな俺に構わず、片倉君は俺の中の一点にぴたりと指をあてがった。
指でやわやわとそこを擦り出す。
「はああっ!!」
火花が散るような強烈な快感に、俺はたまらず叫び声を上げた。
片倉君は俺の額や頬にキスをしながら、執拗に前立腺を責め立てた。
前立腺をいじられるのは初めてじゃないけど、いつもと手つきが違う。
激しいけれど、射精までは達しないぎりぎりのところを弄ばれる。
「やだっ……やあ……もう、つらい……」
終わりへとたどり着くことのない快楽がつらくて、俺は思わず腰を揺らす。
片倉君より先にいくのは癪だけど、こんな状態をいつまでも続けられるのも耐えられない。
プライドをかなぐり捨てて「もうやだ、いきたい」と泣き声を上げた。
「もう少し、我慢しろ…これでいけるはずなんだが」
「何がだよ…っ、…あ………?」
気がつくと、いつもと違う快楽が下腹に生まれていた。
激しさの中から、じわじわとさざ波のような快感がゆっくりとせり上がってくる。
その波は次第に大きくなり、高波のように威力を増して全身のすみずみまで行き渡る。
波はまだまだ振幅を増してゆく。
これ以上気持ちよくなるのは怖い、もうイヤだ、と叫んでもそれは終わらない。
大きなうねりの中に叩き込まれたかのように、気がついた時には俺は今まで味わったことのないほど深い絶頂感に包まれていた。
それはいつもよりもずっと深くて長くて、未知の感覚に俺は全身を震わせることしかできない。
いったのだ、ということはわかったが、こんなに長い絶頂を俺は知らない。下腹を見ると、射精していなかった。
「空達きってやつだ。初めていったな」
片倉君が嬉しげに笑った。
俺の身体はまだ穏やかにたゆたう絶頂感の名残りに痺れている。ろくに返事をすることもできない。
「今日はずっと空達きで良くしてやる」
片倉君は指を引き抜き、間髪を入れずにペニスを俺の後ろに突っ込んだ。
「あ…――っあ………!!」
絶頂が抜けきっていない俺の身体は、それだけでまた高みに登りつめてしまう。
「…いくのが止まらないのか」
俺の顔を覗き込みながら、片倉君が腰を小刻みに動かす。
彼の雁の張った先端が俺のちょうどいいところに当たり、あっけないほど簡単に俺の身体は再び大波にさらわれる。
空達きって何それ、何なんだよこれ。わからなくて怖いのに、気持ちよすぎて、俺はやだとかいいとかまたいっちゃうとか、訳のわからないことをうわ言のように口走る。
いってもいっても疼きが止まらない。射精しないと、いつまでたっても身体が鎮まってくれない。
「もうやだ…っ、もういきたくない、出したい、出させて」
俺はしまいにはべそをかいて彼に請い願う。
これ以上いき続けたら、俺は本当に死んでしまう。
彼は無言のまま、ようやく俺のペニスに再び手を添える。
しゅっしゅっと力任せに扱かれ、俺は全身をがくがくと痙攣させながら射精した。
「はぁ……っああ……ん……」
眉根を寄せ、目をきつく閉じる。何回にも分けて精液が溢れ出た。
波が引いていく感覚に、ようやく安堵して目を開くと、片倉君の顔がすぐ傍にあった。
イキ顔とか変な声とか、全部見られて聞かれちゃったんだよなあ…とあらためて惨めな気持ちになるが、彼が浮かべている微笑みがあんまり穏やかで優しげなので、俺は何も言えなくなる。
ぎゅうっと抱きしめられて、意外なほどの幸福感にうろたえる。
――俺とこの人、いったいどこへ流れ着いてしまうんだろう?
除夜の鐘もやみ、辺りは静けさに包まれている。
俺と片倉君は裸のままコタツの中で横になっている。
片倉君は身体を横にして俺にぴったりと引っ付き、俺の頭をずっと撫でている。
なんか甘ったるくてむず痒いからやめてほしいんだけど、拒絶するだけの元気もないので諦めてされるがままになっている。
…片倉君ってほんとセックス上手いよな。
場数を踏んだとか言ってたけど、本当なんだと思う。腰の動きとか年季が違う。一見堅物なのに、なかなかどうしてムッツリスケベだ。
つうか自分が女の子に対して片倉君ほどサービスできているかというとまったくそんなことはないわけで、単純に見習わないといけないよなーと思う。時々意地が悪いのはムカつくけど、彼のテクニック自体は尊敬に値する。
しかし、次に俺が女の子とやれるのっていつのことなんだろう…
今は片倉君とやりまくっているので、正直女の子に発情するだけの余力がない。
あとぶっちゃけた話、片倉君との行為は女の子とやるよりも格段に気持ちいいので、自分が女の子じゃ満足できない身体になっちゃってたらどうしよう、という不安もある。
俺がこんなにいろいろ悩んでるのにのん気にピロートークっぽい雰囲気作りやがって。ムカつく。
と、俺の頭を撫でる手が止まった。見ると片倉君は目を閉じ、静かな寝息を立てている。
もう深夜だし、セックスの疲れもあって限界が来たんだろう。
心持ち疲労の浮かんだその寝顔を可愛いと思ってしまう自分は、多分相当終わってるんだと思う。
「片倉君。…ホントは俺もあんたとのこと、できれば忘れたくないって思ってんだよ」
眠る彼に向かってささやき、俺はそっと目を閉じた。