- 2022/07/01
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苦戦中
「キャプテン、サヤのタイムカプセルまだ悩んでるんですか」
週に一度の集合日。
おしゃれでごはんも美味しい静かなバーで、白紙の便箋を広げていたローにペンギンが声をかけた。
ローだけ少し早く来ていたようで、シャチとベポも後からやってきた。
「早くしないと週末には埋めちゃいますよ」
シャチの忠告にローは「んー」と生返事をした。便箋に視線を落としたまま、顔もあげない。
「……駄目だ。何書けばいいかわかんねぇ」
結局諦めたようで、ローは便箋を丁寧にたたむと鞄に戻した。
「キャプテン、手紙書いたことないの〜?」
ベポの素朴な疑問に、ローは「ない」と即答した。
「小学校で作文の授業があったじゃないですか」
似たようなものだとペンギンは言ったが、
「授業の無意味さと教師のバカさ加減を書いて出したら親が呼び出し食らって、以来嫌なら書かなくていいって言われた」
うわぁ、とみんなドン引きした。
なんて嫌な小学生だ。
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