- 2022/06/29
- BACK キャプテンと彼女のささやかな日常 NEXT
お手紙
サヤが可愛い白クマの便箋を持ってきた。
「キャプテン、これにお手紙書いて」
脈絡がまったく読めなかった。
「誰に?」
「誰でもいいよ〜」
白クマの頭がついたペンを渡されて、ローはとても困った。
困惑するローに笑って、サヤは種明かしした。
「あのね、今度おじいちゃんのお庭にタイムカプセル埋めるの。いつ掘り返すかは決めてないんだけど、おじいちゃんは『俺が死んだときにでも開けろ』って言うから、みんなに参加してほしいの。そうしたら『開けるときを楽しみにみんなで待ってるから長生きして』って言えるでしょ」
あまりに可愛い理由にローは笑ってしまった。
「俺もサヤみたいな孫がほしいな」
「えー。キャプテンをおじいちゃんって呼ぶのはちょっと」
違う。そうじゃない。
遠回しなプロポーズは伝わらなかった。
- お手紙
- BACK キャプテンと彼女のささやかな日常 NEXT