- 2019/05/18
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連休最終日
キッチンでコーヒーを淹れてたらサヤが後ろから抱きついてきた。
「どうした?」
「……5月病なの」
もう1回夢の国に行きたい。現実に戻りたくないとサヤは背後で駄々をこねた。
「いいぞ。じゃあもう一回行くか」
笑って車のキーを見せると、「今から!?」とサヤは深夜23時を指す時計を振り返った。
「行きたいんだろ。夢の国が営業中かは知らねぇが」
「……キャプテンは5月病とは無縁だね」
ため息をついてサヤはぐりぐりと丸い頭をローの背中に押し付ける。その頭を撫でながら、「コーヒー飲むか?」とローは笑って尋ねた。
「素敵な執事さんがカフェオレにしてくれるなら」
あいにくサヤの希望を叶えるには牛乳がなかった。
「じゃあ買いに行こう!」
サヤはぱっと顔を輝かせて、上着とサイフを取ってくる。
「ついでにアイスも買って来よう」
「ずいぶん近い夢の国だな」
夢に国に行くかと言ったときより嬉しそうな顔をするサヤに苦笑すると、彼女は手をつないで「コンビニは24時間営業の天国だよ」と笑った。
いやそれは医者としてちょっと。患者が「ちょっとコンビニ行ってきます」と出かけるたび、天に召されるのを想像してしまいそうでローはうなった。
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