- 2019/05/15
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戦争
食堂でペンギンの見ていた新聞を覗き込み、「戦争なんて安易に言ったらいけないよね」とサヤは首をすくめた。
「まあ……そうだな」
無難にローが返事をすると、ペンギンが悪巧みを思いついた顔でカバンから2種類の菓子を出し、「サヤはキノコとタケノコ、どっち派?」と尋ねた。
「タケノコ派!」
ペンギンはタケノコのほうを開けてサヤを餌付けしながら「キャプテンこないだ、タケノコなんてなくなっても構わないって言ってましたよね」と爆弾を落とした。
(こないだの飲み会の話か!? 確かにキノコ派だがそこまで言ってな――)
弁明する前にサヤは「そんなの戦争だー!」と立ち上がった。危うく別れ話にまで発展するところだった。