Felix Lucasiewicz

フェリクス・ウカシェヴィチ

風に靡くブロンド、鮮やかな翡翠の瞳、透き通る様な白い肌――上辺だけを言えば容姿端麗な美少年、なんて評価を得そうな整った顔立ちを持つ彼であるが、いざ口を開けば其処から飛び出すは自己中心的な発言ばかり。人は見かけで判断出来ない、とは正に此れの事だろう。何処からその自信が湧き出るのか常に自信に満ち溢れた物言いをし、人の話を真面目に聞かない、話の流れを唐突に断ち切る等は日常茶飯事なのだから困ったものである。しかし如何したことか、俺様っぷりが酷い反面人見知りも激しく、初対面の相手に対しては妙に余所余所しい態度で何時もの強気な発言も何処へやら。だからこそ、彼と会話していて少しでも鬱陶しいと思う瞬間があるならば、それは彼が此方に心を許している何よりの証拠になるはずだ。そんな扱い辛い少年フェリクスとは如何なる人物であるか、それを表す際に忘れてはならない点がもう一つある。それが一体何なのかは彼の部屋を一目見れば一目瞭然、一面に広がるピンク、メルヘン、ピンク、メルヘン――まるで"女の子の部屋"である。性別の割に女性が好きそうな可愛らしい色や雑貨を好む傾向にあり、気が付けば私物の殆どが年頃の女の子と同等のそれに。街中にてピンクメルヘンで残念な自己中美少年を見掛けたならば、それは間違い無くフェリクス・ウカシェヴィチその人であろう。