(※保健室にシャマルいません)
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保健室にはオレの幼なじみ兼、すきなひとがいる。
その子、はとても活発な、明るくさっぱりしている子で、そのためかちいさいころからすごく友だちや知り合いが多い。いつもたのしそうに話をする、元気でなおかつ、かわいい、オレのすきな子。
は保体委員で、クラスの誰かが具合悪くなったり、けがしたらすぐに保健室に連れていくという仕事があったりする。
それでオレは、よくケガするわ、リボーンに殴られる(=気絶する)わでよく保健室行きになり、なんと運がよければときどきとふたりっきりになる。それってにはわるいかなあ、って思うんだけど…、かなりうれしかったり、する。んだよなあ。緊張とかはさすがにないから、幼なじみだし……なんか深く考えるとオレって…うわ、急にもやもやきた…!!(やだなオレ!)
保健室、と書いてあるプレートを目指して歩いていく。見慣れた、古びた扉をまえに立ち止まって、黒ずむ金属のはまった引き手に手をかける。
これ、ひんやりしてて気持ちいいや。…オレの頭が熱いのかな、はやいとこ氷、もらって帰ろ…。
がらり。ドアをあけてみると、めずらしく保健室は無人だった。――今日はもいない、かあ。先生もいない。どっちかはいつもいるのになあ。ちょっとショック…。なんだかどっと疲れがきたので、平たい長イスで待ちがてらひとやすみすることにした。めずらしいぐらいひとけがない。
…あー、いてぇー…。バスケのボールって、ちょっとかたすぎるよなあ。こんなの毎回ぶち当たってたら、たんこぶどころじゃなくなるから…!!ああ頭、ガンガンしてきた。
オレは誰もいない保健室のしずけさと、窓からかすかに聞こえてくる野球部とかのかけ声をききながら痛みの波とたたかう。いつまでこんな、ズキズキガンガン続くんだろ…やっぱり待ってないで自力で手当てしよっかな…?いやでも…。…。そんな考えしかできなくて、それがループしてふりだしにもどってしまう。
ああもう…だんだん、思考が、ストップしてきた。痛いけど、とにかく眠い。まぶたが目の上でふらふらゆらゆらする。
そして全身の力が、ふっとぬけてしまったような感じに襲われた。
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っつ、つめたっ…!!
「綱吉?」
ぼやけてエコーする声と、ひやりとしたなにかの来訪で、オレは目がさめた。…!!?びっくりしすぎて気が動転したオレは目を見開いたままぐるりと視線を飛ばしそれを見る。
冷えピタだった。それと、手。
「!!…!?」
「うっわあ!?…つっ綱吉!」
がいた…!!えっオレ寝てたの?…戻ってきたのーー!?
「び、びっくりしたー…!…大丈夫?あの、ぐっすり眠ってたけど汗かいてたから、熱出てるのかと思って、…」
はくるりと背をむけてうつむき、ぺろん、とそのつめたいものを片手で空中に泳がせた。「…つけようと、しただけ」あ、じゃ貼ってくれている途中で、オレが起きちゃったからはがれちゃったんだ。
「そうだったんだ…。ありがと。でもなんともないよ、オレさっき体育でバスケやってたらその、頭にボールぶつかってきてさ、冷やしてこいって、いわれただけだから」
「え?ああ、なるほど。もうさ、綱吉ってほんと、あぶないよねぇ」
「ははは…」
いまさらだけどほんと情けないよなあ。行って、ふたりっきりになれて嬉しいとか思うけどさ。
「気をつけてよ、頭はだいじなんだからさ。はい氷!冷やしながら戻ってね」
「…、ごめん」
「うん?…どうしたの」
「…ん、みんなそんなに保健室行かないけどさ、オレかなり行ってるし、に世話になってるよなー…」
「別に、いいよ。もうこうするの、慣れてきたから」
製氷皿を片づけながらが言う。特別やさしく言うってわけじゃ、ないんだけどこう、すんなりふつうに受け入れてくれるところが、のすごいところで、…すきだなあって思うんだ。
「…ありがと」
「――それ、に」
「うん?」
うん?
「…わ、たし、綱吉の手当てできてうれしいって、思うから さ」
が言った。…が、言った。
「……!!えええ!?」
「…じ、じゃあねっ!」
『うれしいって、思うから さ』……っ…『うれしいって、思うから さ』『うれしいって、思うから さ』(…エコーエコーエコー…)
うああまじ…!?
……も、オレ…ダメツナで、よかったかもしんない…なん て !!(いまはじめて思ったんですけど…!)
… ★ あいかぎ
(式ちゃんへ!遅ればせながらツナですすいません…!内容とかたしか指定がなかったと思ったのでとりあえずつんでれな子に恋するツナでかいてみました…!初つなよし!やっぱりよく性格が…つかめてないですああごめんよ…!リクエストありがとうございました!
/08.0504 あい子)