冬の夜道は容赦なく暗くて、寒い。
吹き付ける風に耐え切れなくなって、ぐるぐる巻きにしたマフラーに口元をうずめた。
指先をさすりながら歩くわたしとは反対に、征ちゃんはとくにこれといって不自由なことはないというふうにとくに表情を変えずにとなりを歩いている。
なんだか悔しくなったのでわき腹をつっついてみた。
「・・・」
睨まれました。
「つ、つい・・・征ちゃん涼しげに歩いてるから・・・ごめんなさい・・・」
心をこめて謝ると満足したのか、征ちゃんは睨むのをやめたが、かわりにわたしの頭をぐっしゃぐしゃになでた。静電気が!マフラー巻いてるわセーター着てるわなのに!髪がたいへんなことになっちゃうじゃないか!
ちがったわ!征ちゃんぜんぜんわたしの謝罪には満足してねえ!
「せ、せいちゃん!やめっやめてー!もうしないから!」
「が悪い」
「わかってますー!ごめんなさいいい!あっそうだ晩ご飯!わたしこのまま征ちゃんのお家に作りに行くから!!ね!」
「へえ」
なでくりまわす手が止んだので急いで泣きながら髪を直していると、こめかみに熱を感じた。驚いて征ちゃんを見あげると、その熱を落とした唇に笑みをうかべて言う。
「じゃあ明日は部活がないし、多少睡眠時間が短くなっても平気だな」
「えっわたしお泊りまでする気では・・・な・・・」
「何も問題はないね」
「・・・はあい・・・・・・」
明日わたしの腰が死ぬようだ。
いいことわるいこと
(気持ちやさしめな赤司くんになりました お誕生日おめでとうございます!/121220 あい子)
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