横島、雪之丞、タイガー、ピート。
この4名が横島の部屋で集って行う催し。
それは唯1つ。
『ええかぁ〜、ええのんかぁ〜』
『あぁ〜ん♪ もう駄目ぇ〜〜〜〜っ』
……エロビデオの鑑賞会である。
「神よ…また誘惑に負けてしまったこの私をお許し下さい……」
「ピート、いい加減自分に素直になれ」
ピートの懺悔パフォーマンスが終ると、皆でお食事タイム。
「ありゃ、ろくな食材がねぇや」
「何だ、今から作るのかよ」
「横島さん、よかったら僕が作りましょうか?」
「おっ、悪いな」
……と、こいつに任せたのがそもそもの間違いだった。
「ふんふんふ〜ん♪」
ピートは、キッチンで料理を作っている。
「あいつに任せておいて本当に大丈夫なのか?」
「食材が無駄にならん事を願うですジャ…」
「ま、大丈夫だろ。少なくとも賞味期限切れの食材はなかったし。それに、不味かったら不味かったで話のタネにはなるだろ」
そういう横島は、文珠を2個ポケットに隠していた。
文珠に込めた文字は『美』『味』。
「ところで、食材って何があったんだ?」
「えぇ〜と、シチューのルウ、豚挽き肉、煮干、たくあん、イカの塩辛、大福、ブルーベリージャム」
「見事に中途半端な食材だな」
「ここはピートサンの腕前に期待するしかないですノー」
台所から、匂いがたち込めてきた。
「うわっ! 何だこの臭いは!」
「何で生ゴミの臭いが立ち込めてくるんだ!」
挽き肉、たくあん、塩辛、ジャム、煮干そして大福。
この6つの食材が生み出す料理と言えば……
そう! 藤子・F・不二雄が生んだ伝説の料理!
ジャイアンシチューである!
「皆さん、お待たせしました」
どろ〜り…
この世の物とは思えない紫色の汁が、皿に次々と流し込まれる。
「おい、これはどう考えても食いモンの臭いじゃねぇぞ」
「食わず嫌いはよくないですよ」
「そーゆー次元の代物かよ!」
「でも、横島さんは食べていますよ」
ペチャペチャ
パクパク
「本当だ…」
「よく食べれますノー…」
パクパク
ムシャムシャ
「それにしても、あの下品な音は何とかならんか?」
「食べてもらえないよりはずっとマシですけど」
ガツガツ
モリモリ
「あ〜、食った食った。おかわりっ!」
見事に完食。
「ほら、雪之丞もタイガーも早く食え」
「これは…もう……」
「覚悟を決めるしかないですノー」
2人は清水の舞台から飛び降りた。
パクッ
パクッ
「「おえ〜〜っ」」
2人は、筆舌に尽くし難い味覚を体験した。
「何で横島サンはあんなゲテ物食えるんジャ…」
「おい、あれをよく見ろ」
雪之丞はタイガーに囁いた。
よく見ると、横島は、シチューを食べながら文珠を生成していた。
「つまり、あれを使って自分だけ美味しく召し上がってたって事だ」
「いかにも横島サンの考えそうな事ですノー」
「ふっ、そうは問屋が卸さないぜ」
2人にタネを見破られてる事にも気付かず、横島はまたまた完食。
「おかわりっ!」
ピートに皿を渡す。
シチューが皿に注がれる。
ピートから皿を受け取る。
そして文珠を……
「おっと、残念だったな」
発動前に、雪之丞が確保。
「おい、返せっ!」
「やなこった。タイガー、受け取れ!」
「任せるジャー!」
空中を舞う文珠。
タイガー、見事にキャッチ…
ポムッ!
すると同時に『美』『味』の文珠発動。
この瞬間、タイガーの運命は決まった……。
[平成16年9月1日更新]