このSSを、いかりや長介さんに捧げます。
……本人は、草葉の陰で呆れておられるでしょうが。










『もしも、バトルマニアのもったいないオバケがいたら…』





「あれ、ドアが開いてるぞ。変だな…」

首を傾げながら、横島が家に入ると、





「遅かったな」

雪之丞がいた。自称、ダチ兼宿命のライバル。
しかし、今の横島にとっては、





「勝手に俺のカップ麺を食うなっ!」

……毛が3本のオバケと同じ位はた迷惑な存在。

「安心しろ。ちゃんと賞味期限を確認してから湯を注いでるから」
「だから何で食う! 俺の食料だ! お前が食うなっ!」
「賞味期限を過ぎてないのは食わねえから安心しろ」
「だから何で賞味期限切れ全部を食おうとする!」
「おキヌにこんなもん見つかったら、否応なしに捨てられてしまうだろ。だったら、早いとこ俺の胃の中に捨てた方が世のため俺のためだ」
「冗談じゃねぇ! そんな理屈誰が認めるかっ! お前に食われる位なら、今すぐ全部食ってやる!」
「笑止! お前のカップ麺は俺の物、かおりの○○○も俺の物だっ!」

こうして、煩悩超人とバトルマニアのフードバトルが始まった。










そして……










ピーポーピーポー…










「食い過ぎですな」

1週間分のカップ麺をいっぺんに食った当然の報いが。

「何で雪之丞の分まで俺が医者代払わにゃならんのだ! しかも、保険効かねえのかよ!!」

家族や友達に迷惑をかけないためにも、健保には必ず入りましょう。
「掛金払うのもったいない」なんて思わずに。ねっ♪

「……だめだこりゃ」




















『もしも、修学旅行にもったいないオバケがいたら…』





「ふう……」

明日でいよいよ修学旅行も終わり。
最後の夕飯は、死刑囚の最後の晩餐のような豪勢な料理だ。
ホントに予算内で収まってんのか、これ?
この天ぷらのエビのプリプリっとした歯ごたえと甘み……。
冷凍もののエビじゃねえだろう。
さすが、あの猪名川先輩の実家の旅館。
この予算を度外視してるとしか思えん凝りぶりは先輩の同人誌と同じだ。
しかし、同人誌はそれでもいいけど、旅館経営が『趣味』になってるのは、従業員を抱える企業としては問題があるだろ……。





「ん? むむっ!? こ、これは……」
「ピート、どうした? ニンニクでも入ってたか?」
「横島さん、僕、僕…
こんな美味しい物食べたの初めてです!

ピートの奴、泣きながら食ってやがる。
確かに美味しいけど、たかだかエビ1匹にそこまで感動しなくても。

「僕、生まれて初めてエビ天を食べたんです。こんなに美味しいものだったなんて、今まで知りませんでした」
「ピ、ピート……」

あれだけ弁当の差し入れがあるのに、何でエビ天だけない?

「僕、エビ天はおそば屋さんのショーケースに入ってるのしか見た事がないんです。 唐巣先生も言ってました。エビ天そばは、一生に1度しか食べられない高嶺の花の食べ物だって」
「………」
「今日はおそばがないのが残念です」

本物のエビ天を食べるどころか、見た事すらない……。
うう……それにしてもあの神父、そこまで貧しかったのか。

「え? じゃあ、ピート君って、今までどんな天ぷら食べてたの?」

話に加わってきたのは、巨乳のテニス部員高瀬瑞希。

「巨乳は余計よ!」
「サツマイモとか、カボチャとか、茄子とかですけど、何か変ですか?」
「いや別に変っていう訳じゃないが」
「……ヘルシー志向ってゆーか、なんてゆーか(汗)」
「………」

あの神父は、決して健康志向でイモ天作っていないよな。
どちらかと言えば、『ラブユー貧乏』の前田政二のような地味な貧乏。
間違っても、オクレ兄さんのように金魚を食ったり、ショージ君のように食い逃げしたりする事はないと思うが……。
それにしても、あまりにも不憫だ。
俺は、珍しくこの美形に何かしてやりたいと思ったぞ。

「ピート」
「はい?」
「このエビ天お前にやる」
「え? いいんですか? 横島さんの分が」
「いいんだ。お前にはいつも世話になってるからな」
「ありがとうございます! 横島さん、このご恩は一生忘れません!」
「死んだら忘れていいから、オーバーアクションでお辞儀するのは止せ」

「あらあら、良かったわね、ピート君」

文芸部の元締め、牧村先生だ。

「じゃあ、先生からも、エビの天ぷら」
「あ、ありがとうございます」
「じゃ、あたしも天ぷら……」

高瀬からも、お裾分け。

「あ、どうも」
「あ、ピート君。鯛のお刺身も食べる?」

文芸部のクイーンオブ801こと、芳賀さんからも。

「はい、ピート君。牛ヒレ」

愛子も。ちなみに彼女は机と一体なので、行きと帰りは机ごと『魔鈴の宅○便』で搬送。

「不憫な……。俺のカニ豆腐、すべて持っていくがいい……」

応援団の立川先輩。ダブりなので○回目の修学旅行。
見た目から暴力事件で停学・留年と誤解されがちだが、実は妹のパシリで出席日数が足りなくなったそうだ。キングオブシスコン。

「も、もうしょうがないわね! びんぼーにんは。ほら、なんだかよく分んないけど、野菜の炊いたやつ。食べれば?」

文芸部の………名前忘れた。

「こんなこともあろうかと、名物炭酸センベイを買っておいてやったぞ。デザートに食べるがいい。礼は無用だ、マイブラザー」

ビジュアル系ヲタクの生徒会長、九品仏大志。
高瀬の彼氏に横恋慕しているという噂があるが、その真否は不明だ。知りたいとも思わんが。





そんなこんなで、1クラス分のお裾分け。

「流石にこの量はピート1人では食べきれないだろう…」
「大丈夫です。僕、タッパー持ってきてますから」
「タ、タッパー?」
「ここの料理を唐巣先生にも食べさせてあげたいと思いまして」
「……」

な、なんて師匠思いな……。

「皆さんのお陰で、いっぱい入りました」
「くぅ、泣かせる話やなあ。ほな、これも持ってき」

文芸部の『女と○か』こと、猪名川先輩の登場だ。
今日は、旅館の若女将として俺たちの修学旅行の手伝いをしている。

「ウチとこの料理人の命と誇りの……





お吸い物〜☆

おいっ!!

「ざばーっと」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「あの、ピートさん……。これもおいしいです……。タッパーに入れますね」

げ、文芸部のリーサルウェポンあややだ。嫌な予感が…。

「もずく……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


タ、タッパーの中がお吸い物ともずくで目も当てられない悲惨な状況に……。

「お、おまえら鬼か…。汁物を一緒くたに入れるなんて…」
「あははは☆ 勢いあまって」
「おいしいのに…」
「単品だったらな…」

ったく、しょうがねえなあ。
タッパーの中身を捨てて水で軽く洗って……。

「ほら、ピート。エビ天だ」
「ありがとうございます」
「あらあら、それじゃあ、私もエビの天ぷら」
「どうも」
「じゃ、あたしも天ぷら」
「お刺身〜♪」
「牛ヒレ☆」
「カニ豆腐……」
「野菜の炊いたやつ」
「炭酸センベイ」





「ほな、お吸い物〜」
「もずく……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」




「こらっ! そこそこそこっ!! 2度も同じことするんじゃねぇ!」
「あははは☆ ついお笑いキャラの性で」
「お吸い物や酢の物を入れたら、どんな悲惨な食べ物になるか判らんか?」
「食べたことないから……」
「そこにある食べ物の残骸だったもの……食べてみるか?」
「……」










見るに耐えない映像を皆様に御覧頂けないことを深くお詫び申上げます m(_ _)m





「見るからに、不思議な雰囲気の食べ物ですね……。この世のものとは思えません……」
「お、お前らなあ……こんな事してると、そのうちもったいないオバケが出るぞ」















スタスタスタスタ…





「噂をすれば何とやら、だな」










スタスタスタスタ…










ガラッ





















「もったいないから、小鳩が「何でワシの出番がないんジャー!!!」




















翌日、新幹線の指定席には1個空席が。
神戸港には、タイガーのなれの果てが、ドラえもん土佐衛門になって浮かんでいた……。










「先生、これで良かったんですよね…」

級友のお裾分けは、全て薄幸の美少女の下へ。
父なる神は、唐巣に人並の生活を決して許さないのであった……。
横島は1人呟く。

「……だめだこりゃ」




















『もしも、大人のもったいないオバケがいたら…』






忠夫と愛子。
青春りっしんべんの2人がやる事と言えば……





ドピュッ!
ドピュピュッ!!


「ああ〜ん、いっちゃう〜〜っ、いっちゃうぅぅぅぅぅぅっ!!!」





……ヤる事。

「横島君、何探してるの?」
「いやティッシュで拭こうと思ったんだけど、見つからなくて」
「拭くって、もしかしてこれを?」

ムニュッ

「ぅおっ!」
「ダメよ。ティッシュ使うなんてもったいないわ」

ペロッ

「私が全部綺麗にするからね♪」

ペロペロッ

「ちょ、ちょっと気持良過ぎ」

ツンツン

「そ、そこは突かな」

チュ♪

「残ってるのも吸い出しちゃうから」

チュ…チュ…

「うっ…ううっ」

チュ…

「で、とどめは」

ペロッ

「おぉぉぉぉっ!!」



「あ、また勃っちゃった♪」
「ううっ、俺のアレを何やと思っとるんや…」
「私のモノ♪ 無論、精液も一滴残らず」
「そのうち全部搾り取られそうや…」
「それはないわ。だって横島君だもん。それより」
「もしかして」
「私のも綺麗にして♪ ティッシュなんか使わないで」
「じゃあご要望にお応えして、今日もお○んこをペロペロ舐めますか」
「あ〜ん、そんな恥しい言葉言わないでぇ〜」
「そんな事言うと舐めてやらんからな」
「……お願い、私のおま○こ舐めて」
「よしよし、穴の奥まで掃除してやるからな」
「あぁ〜ん、嬉しい♪」










そして……




















ドピュッ!
ドピュピュッ!!


「ああ〜ん、いっちゃう〜〜っ、いっちゃうぅぅぅぅぅぅっ!!!」





……無限ループかよ。
まあ、横島なら赤い玉が出る心配はないだろうが。
それにしても、こんな事してると、もったいない小鳩が……。















スタスタスタスタ…





ほら、言わんこっちゃない。










スタスタスタスタ…










ガラッ





















「抜け駆けはズルいですっ!!!」
「私の許可なく、丁稚の精液搾り取るんじゃないわよ!!!」




「あのー、美神さん?」
「何よ?」
「何で美神さんの許可が必要なんですか?」
「丁稚の物は私の物、私の心はあんたの物よっ!(赤面)」
「とにかく、独り占めは許しませんから♪」
「ううっ……堪え忍ぶ事も性春の1ページよね…」










と、いう訳で……




















ドピュッ!
ドピュピュッ!!

「「「ああ〜ん、いっちゃう〜〜っ、いっちゃうぅぅぅぅぅぅっ!!!」」」





……無限ループに2人加わった。
女が3人なので、まさに『姦』淫。
お後が宜しいようで。




















「何で私だけ濡れ場がないんですか!」

おキヌちゃん、完全に出遅れてしまいました。
親友達の呟き。

「「……だめだこりゃ」」




















『もしも、(?)ベテランのもったいないオバケがいたら…』










「人参は嫌いでござるぅ〜」
「私、ピーマンいらない」
「レバーは苦いから嫌でちゅ!」
「納豆は人類の敵やぁ〜」




「にーちゃん、子供じゃないんだから…」
「ケイさんの言う通りです。好き嫌いしていると、もったいないオバケが出ますよ」
「そんなオバケ聞いたことがないでござる」
「今時、そんな言葉真に受ける子供なんていないわよ」
「オバケなんか返り討ちでちゅ!」
「GSと人外相手に、オバケが脅しになるわけないでしょ…」















スタスタスタスタ…





「あれ、にーちゃん足音が近づいてくる」










スタスタスタスタ…










ガラッ





















「お残しは許しまへんでぇ!!!」
「ゲッ! 食堂のおばちゃん!!」










忍術学園のONIGUNSOWに逆らえる者は、誰もいない。


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[平成16年9月1日更新]