何故か、1人でけもの道を散策する美神令子。手には、神通棍。
地面から突き出ていた何かに足を引っ掛け、
スッテンコロリン!
そのまま転倒。
コロコロコロ…
神通棍は転がって…
ポチャン。
池の底。
「痛たた……もう、何でこんなとこに根っこが…って、神通棍がないっ!」
すると、水の中から
ザバァァァン!
マッチョな池の精が現れた。
「さて、君が落した神通棍は金の神通棍かな? それとも銀の神通棍かな?」
「……普通の神通棍よ」
色々言いたい事はあったが、元ネタを知ってたので一応正直に答える美神。
「ふむ、正直者には全部あげよう」
こう言いながら、池の精は水の中へと消えていった。
「うふ、うふ、うふふふふふ…」
金の亡者・美神に横島邪な考えが浮んだ。
翌日。
ブロロロロ…
ダンプカーで草木を掻き分け、あの池のほとりにやって来た美神。
積載されているのは、産業廃棄物。
「ふっふっふ、これでゴミから宝の山が…」
グウィィィィィン
ダンプの荷台を傾け、
ガラガラガラガラ…
産廃を池に投下すると、そこには
「………」
池は跡形も残っていなかった。当然、池の精が出て来る筈もなく、
「はぁ…骨折り損のくたびれ儲けね」
とぼとぼと家に帰る美神であった。
その夜、美神は夢の中でけもの道を散策し、地面から突き出ていた何かに足を引っ掛け、
スッテンコロリン!
そのまま転倒。
コロコロコロ…
手に持っていた物は転がり…
ポチャン。
池の底。すると、水の中から
ザバァァァン!
どこかで見覚えのあるマッチョが現れた。
「さて、君が落した文珠は金の文珠かな? それとも」
「……普通の文珠よ」
「ふむ、正直者には金の文珠を2個あげよう。それと、おまけに神通棍も」
こう言いながら、マッチョは水の中へと消えていった。
ガバァァァッ!!
「な、何だ夢か……ん?」
股間に違和感があるので、触って確かめてみる。すると、そこには
「はぁ…何で私が穴掘りしなけりゃならないのよ」
「全くでござるよ…」
「同感だが、ここは大人しく従っておいた方が賢明だぞ」
「こらっ! ブツクサ言ってないできりきり働く!」
美神は池の跡から産廃を残らず掻き出させると、給水車で
ドボドボドボ…
水を注入。見る見るうちに池は元の姿を取戻す。
「あのマッチョめ……ギッタギタにしてやるんだから」
掻き出した産廃の上で復讐を誓う美神。しかし、足場が悪く、
ズルッ。
「え゛」
そのまま池の中へと
ボチャン!
「美神殿、大丈夫でござるかな?」
「あの深さじゃ、赤ん坊でない限り溺れようがないわよ」
「あ、何か浮んできた」
ザバァァァン!
マッチョが現れた。横島は何故かイヤな顔をしている。
「さて、君が落した美神令子は」
「いいから、さっさと普通の美神さんを渡せ」
「ふむ、欲のない君には褒美にきれいな美神令子をプレゼントしよう」
こう言いながら、マッチョは水の中へと消えていった。
なお、その後の金に汚い美神さんの行方を知る者は、誰もいない。
[平成16年9月1日更新]