1301−1350

あなたの声にくるまれて、わたしは覚めない夢を見るのよ。
さよならを小夜鳴き歌い謳えば、るらるら、ららる、涙にも似たフレェズが。
埋め尽くされて、浸食されて、壊されて。溢れ出したのは、拙い言葉。
私はいつまでも怯えているわ。何もかも、何もかもが終わるまで。
嘘を吐けば気が楽になった。重ねる分だけ、重たくなった。

この空が墜ちてきたら、僕らは押し潰されてしまうと云うのにね。
こんなに生温い幸せに浸ってしまえるなんて、思いもしなかったから。だから、
この気持ちは不安ですか? この感情は恋ですか? どうかどうか、教えて、
上っ面だけの言葉でいいよ。だから繰り返して、好きって云って。
寒かったねと抱きしめられた、腕のぬくもりに、心が溶けた。

自ら招き入れて孤独で凍えて、ぬくもりなんて求められずに。
必死になって莫迦みたい、と、立ち尽くしたままの君が云った。
自分自身がどうしても愛せないと仰るのなら、お互いに愛し合いましょう?
君は僕の太陽だ。届く前に焼け焦げて、蒸発してしまいそうだよ。
こんなのはもう耐えられません。どうかとどめを刺してください。

もう何だって構わないから聞いてくれ。ただ俺は、君が好きだ。
手から足からとろけてゆくんだ。ほらきっと、もう何も残らない。
僕の世界が揺らぐのは、君が追い詰めてくるからだ。そうだろう?
抱きしめられて眠ろう。意識ごと、貴方の夢の中へ行けるように。
君への恋の気持ちを鳴らそう。軽やかな歌になるように。

それからは、いつだって語られない話。
声が枯れるまで笑った。君を忘れられると思ったのに。
時間は止まってくれないんだよ。ただ、取り残される、それだけなんだ。
触れることの出来ない貴方の温もりなど、どうして知ることが出来ましょう?
線を踏み外してしまえたら。いつまでも君の傍にいられるなら。

恋の苦しみに酔えるほど子供でもなくなった今になって、君の存在が狂おしい、なんて。
夜が明けて、僕はまた死に近づくけれど。朝が来れば、君に会えるから。
人生は間違い探しだらけです。つまりは間違いしかないのです。
出会い方が間違っていたのなら。僕らは幸せになれたでしょうか。
苦しんだ後に幸せが来るなんて、遅すぎるとは思いませんか。

美しさなどは必要ない。何よりも大切なのは、その儚さ。
雪よりも冷たいのは君の肌。ひんやりしろくて、溶けそうな。
僕たちはいつまでも平行線。絡み合うことなどありえない。
キラキラ、キラキラ、空はいつも高く遠く。
不安要素。僕の中にあってはならない筈のもの。

きっといつか、君さえ僕から離れて行ってしまうんだね。
云わせて! 云わせてお願い! 愛してる愛してる愛してる!!
愛を持っていきたいの。記憶を、全部、どこかへ。
こんなにもあっさりと狂えたよ。これが愛ってものなのかい?
空が滲んだ。君から零れた、赤色で。

狂いだして叫びだして、でも誰も、間違ってなんかいないんだ。
あぁ、ただ、ただ、抱きしめて欲しかった、だけ、なのに。
届かないって、わかっていたのに。君に、焦がれた。
代わりで良かったんだ。代われる相手なんて、いなかったんだけれど。
貴方の全てを理解したいのよ。全てを許容なんて、出来ないけれど。

幸せになりたかったんじゃないよ。だって、もう幸せだったんだもの。
僕の世界に君がいた。その幸福に感謝しながら、恨み言を。
君と出逢えたことは嬉しいけれど、それ以上になれないことが悲しいよ。
あなたなんて大嫌いよ。誰よりも、愛おしく感じてしまうんだから。
君となら何度だって生まれ変われるよ。さぁ、飛び立とう。

bacK