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葉佩の上に跨がっている八千穂は声もなく喘いだ。
瞳は潤み、頬は上気し、呼吸は荒い。
肉体はイキたがっているのに、まだ僅かに残っている理性でなんとか堪えているのだ。
「イキたいだろ?」
意地悪く葉佩が問うと、八千穂はぎゅっと目を閉じて項垂れた。
その動作すら熱くなっている敏感な場所へ響き、八千穂は息を詰まらせる。
「んッ……あ……。行か……、行かせ、ないッ」
八千穂は泣いているような掠れた声を出した。
「でも行きたいって気持ちはよくわかっただろ」
葉佩はベッドの隣に散らかっているものへ目をやった。
この学園からいなくなるため荷物をまとめていたのだ。
八千穂が先にイけば、葉佩もこの学園からどこか別の場所へ行ってしまう。
そんな条件で始めたことだった。
つい数週間ほど前まで処女だった八千穂だが、今ではそれなりに経験も積んできている。
葉佩の方も限界がそれほど遠くはないのに、余裕があるふりをしていた。
「そん……なのッ、始……めから、知ってる、し」
八千穂がいやらしく腰を動かすと、それは葉佩へダイレクトに伝わった。
指令が来たからというだけでなく、葉佩が次の遺跡へ向かいたがっていることは八千穂もよくわかっていた。
それでも、行ってほしくないという気持ちがある。
八千穂の女の武器を使った戦いの夜はまだ長引きそうだった。