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「リカちゃんいる?
 寝に来たんだけど」
カラカラと軽い音を立てて理科室のドアが滑ると
昼間の学校というものを完全に舐めきった言葉が響いた。
名前を呼ばれた理科室の主―椎名リカは入ってきた男の姿を認めクスリと微笑んだ。
「九サマ・・・!」
くうさま、という間抜けな響きの言葉も
椎名リカの口からこぼれ葉佩九龍を表す場合に置いては妙に収まりがいい。
そう呼ばれた人物が柔和なのは表面だけで
音から連想されるフリルやリボンの世界からは縁遠い人物だとしてもだ。
「今日はもうどこのクラスもここを使いませんからお好きなだけ―」
頼まれて作っていた爆弾から手を離すと足の届かない椅子から飛び降り
リカは九龍に微笑んだ。
「うん、でも一時間でいいよ」
九龍もまたリカと同じように微笑むと彼女のわきの下に手を差し入れ小さな体を抱えあげた。
その動作は実に自然でリカが拒否する可能性を微塵も考えていない。
そのまま九龍はリカを理科室特有の冷たい机に座らせ、目の前に腰掛けた。
「あんまり長く寝るとリカちゃんも痛いだろうし」
そう言うと九龍はおもむろにオートクチュールのスカートの上、
彼女のほっそりとした太ももと太ももの間に顔を埋めた。

いつ頃からだっただろうか。
九龍は学校で眠くなるとリカの元へやってくるようになった。
そして、膝枕というには少し妖しい場所へ顔を埋めて眠るのだ。
「はぁ・・・」
小さなため息をつきながら小さな白い指が九龍の黒髪を撫でる。
送りこまれる空気で下着の中が熱い。
九龍はいつもふらりと現れて健やかな寝息で愛撫する。
それは決して不快でない。
それ故にリカはふと考えてしまう。
私たちは殺しあったはずなのに―、と。

そう、リカと九龍はあの時確かに殺しあった。
例え思い出を封印されていたとしても
リカは明確な殺意をもって人体を千切るほどの爆薬を投げつけたのだし
九龍だって容赦なく銃火器を使い日本刀を振るっていた。
彼女の体が異能の力に囚われていたから今無事でいるが
死んでいてもおかしくなかったし九龍はそれを恐れていなかった。
にも関わらず九龍はこうしてリカを枕にして眠る。
時には涎を彼女の恥ずかしい場所になすりつける程にぐっすりと。
「・・・っ!」
前触れもなく与えられた刺激にリカの体が硬直する。
そんな彼女の反応と関係が無いかのように九龍は呑気に顔を揺すった。
「どんくらい寝てた?」
彼女の下腹部から顔をどかしもせず九龍が間抜けな声を出す。
「三十分ほど・・」
それには返事をせず九龍はリカの腰にまわした腕に力を入れ引き寄せた。
「・・・リカちゃんは良い匂いがするね・・・」
言葉自体はそうでもないが
顔を置いている場所ゆえに微妙な発言になった九龍の台詞で、リカの顔が真っ赤に染まった。
「足、大丈夫?」
「え、ええ、まだ平気ですわ」
リカを気遣う台詞を口にすると九龍は強引に彼女を引き摺りおろした。
「ぁっ・・」
自らの足の上に彼女の体を座らせると九龍はすぐに唇を奪った。
唇の肉を触れ合わせると小さな体を腕の中に拘束する。
口紅を舐め取るように舌を這わせ唾液をすする。
九龍はいつだって強引だ。
人畜無害そうな顔に柔らかい笑顔を浮かべ、体を貪る。
だけど、リカはそんな九龍を嫌いになれなかった。
学校や遺跡で性行為を求めてきたり枕にされたりする。
それでもリカはいつも九龍が暖かく感じられるのだ。

鼻を擦りあわせながら九龍は慣れた手つきでスカートを剥ぐ。
慎重に、引っ掛けたりしないように丁寧にスカートを机に置く。
九龍はリカ手製のそのスカートの手触りが事の外お気に入りだった。
おそらくは最高級の枕カバーとして。
「持ってきてないんだけど、どっちがいい?」
下着の中に潜り込ませた手が小さなお尻を持ち上げる。
どちらにしろ性行為自体は拒否されないと思っているのだろう。
ずり下ろす下着の滴る感触を感じているのだから間違いは無いのだろうが。
「あの・・普通に・・・」
「普通って?」
九龍はにっこりと聞き返し
下半身を晒しているリカは化粧が溶けてしまうのではないかと思うほどに顔を赤くする。
「ま、前に・・・」
リカがそう囁くと九龍は片手で彼女を少し持ち上げた。
リカの幼い秘裂の下でジッパーの開く音がする。
ズボンの下げられる音と同時に現れたソレは登場と同時にリカに触れた。
「んっ・・」
熱く存在を主張するソレは降りてくるリカの肉体にまたその姿を隠した。
「くぅぅ・・・っ」
押し込まれた肉に押し出され、小さな口が空気を漏らした。
ぷるぷると震える下半身は九龍の手によって押さえ込まれる。
リカの体は九龍によって制され小刻みに前後させられている。
口の中には舌がねじ込まれ声も出せない。
彼女の体は九龍の寝起き特有の生理現象を抑える為に使われていた。
「ぁぅうっ・・んっ」
粘液をかき混ぜる音が激しくなるとリカから漏れる声もまた激しくなる。
自分勝手な動きを続ける九龍が小さな彼女の事を思ってした行動は射精を遅らせる事だけだった。

「九サマ・・・?」
ようやく息が整ったリカは彼に座ったまま声をかけた。
「何?」
見上げる視線に目を合わせると九龍はリカの髪を撫でた。
「どうしてリカなんですの?」
言葉の割りに不安を感じさせない調子でリカが声を出した。
「どういう事?」
逆に九龍の方が不安そうに聞き返す。
「だってリカは九サマを殺そうとしました」
繋がってる安心感を多分に含ませて続ける。
媚びた声は甘く九龍を包み込む。
「だからかな」
予想していなかった答えにリカは声を出さずに九龍の顔を見続ける。
「リカちゃんはいい匂いがするし柔らかいけどそれだけじゃなくて・・・
 居心地がいいんだよね。
 嫌なら嫌って言えるだろうから」
その言葉はリカの心に染み透り震わせた。
それは何よりもリカの人格を尊重している証だったからだ。
リカは人形じゃない。
拒否したければする。
その為の心も力も持っている。
リカは九龍が暖かい理由を知り胸をときめかせた。

ぽたぽたとビーカーの中に白い花が咲く。
跨っているリカの膣から精液がこぼれ落ちた。
「んくっ・・」
ぐにゅぐにゅと暴れるガラス棒がリカの中から九龍の体液をかき出す。
「あぅっ・・・」
大きめのビーカーの上で排泄するような姿勢をとっているリカは
無防備に晒した下半身を眺められ弄られていた。
九龍の「リカちゃんがおしっこしてるとこ見たい」という発言によって。
勿論、断ることも出来た。
しかし、リカは選んだ。
恥ずかしい目にあっても痛い目にあってもどれだけ体を汚されようと九龍の傍にいる事を。
「ひゃぅっ・・!」
九龍の手が小さなお尻を揉みしだき指の先端で尻穴に触れる。
その刺激に耐えるようにぷるぷると尻が震えリカの口が小さく息を漏らす。
そして無残に晒された赤い肉の隙間から液体が放出され始めた。
それはリカがリカの意思で九龍に辱められるという証の行為であった。