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龍麻は美里邸に遊びに来ていた。
本当はマリィの部屋でマリィと一緒にゴロゴロふにゃふにゃしたかったのだが、葵さんに拉致られて
「今日、家族いないの…」とか「私、今下着つけてないのよ」とか「シャワー浴びてくるけど、覗かないでね」
とかいった誘惑の言葉を右から左に聞き流しつつボーっとしていた。
つーか本当にシャワー浴びにいったし。
これはチャンスだマリィの部屋へ行くべし、と立ち上がろうとすると、見覚えのある黒猫がいた。
「なんだ、メフィストか。マリィは一緒じゃないのか?」
まあ、さすがに家の中でも常に一緒というわけでもないだろうけど。
「…そうか、お前はいつもマリィと一緒なんだよな」
そう呟きながらメフィストを抱き上げる。
「そうだよな、食事も登校も寝るときもお風呂も一緒なんだよな…」
なんだかメフィストが羨ましくなってきたり。
「よし決めた! 俺、卒業したらメフィストになる!」
なれるのか。
「黄龍パワーよ、俺をメフィストにしてくれ!」
いや、普通に無理。

『その願い、かなえてつかわそう』

どこからともなく声が聞こえてきた。
「ニャ?」
なんだか知らないけどメフィストになっていた。
それでいいのか黄龍。


メフィストとなった龍麻は何の躊躇いもなくマリィの部屋へと向かった。
少しは驚け。
「ニャーニャー」
マリィの部屋のドアをカリカリとすると、内側から開いた。
「どうしたの、メフィスト?」
マリィだった。猫視点から見上げるマリィはなんだかとても大きくて、甘えたくなった。
「ニャ」
飛び上がってマリィに抱きつく。ビックリしながらもマリィは受け止めてくれた。
「ニャニャ」
さっそくマリィの頬をペロペロと舐め始める龍麻。もうちょっとプライド持て。
「く、くすぐったいよメフィスト」
「ニャーニャー(訳:さあ、いつものようにバター猫ごっこしようじゃないか)」
そんな事実はありません。
「ん、お腹空いたの?」
当然のように意図が伝わるはずもなかった。
「ニャー(訳:そう、マリィが食べたいんだ)」
「じゃあちょっと待ってね。用意するから」
「ニャー(訳:いや、服着たままでもいいよっつーかむしろその方向で)」
かみ合ってないようでかみ合ってるけどやっぱりかみ合ってない会話。
「フニャー!(訳:おいどんは我慢できんとですたーい)」
「きゃっ! メ、メフィスト!?」
突然首筋を舐められてゾクッときてバランスを崩してベッドに倒れ込む1人と1匹。

「ニャニャー(訳:いただきまーす)」
「メ、メフィ…駄目……」
突然のメフィスト(in 龍麻)の暴走に驚いたせいか抵抗の弱いマリィ。
そのスキにとばかりに欲望のままにふにふにぺろぺろむぎゅむぎゅする龍麻。
「きゃっ…んっ……だ、駄目だよぉ……」
大好きな親友が相手とあって強く反抗もできずされるがままのマリィ。
すっかり獣と化した龍麻はスカートの中へと潜り込んだ。
「そ、そこはっ…!」
「ニャー(訳:秘密の花園バンザーイ!)」
ショーツの上から鼻をこすりつける。
「いやっ、や、やめて…!」
さすがに強い抵抗をしはじめるマリィ。
と、そのとき。

『ごめん、時間切れだわ』

「え?」
「あれ?」
元に戻りました。
「………」
「………」
重い沈黙。ああ、これが別のエロSSなら「お兄ちゃんなら…マリィいいよ」とかでめでたしめでたし
なんだろうけど。


龍麻が小粋なアメリカンジョークで場をなんとかしようと決意したそのとき、
「この龍野郎がぁ!!!」
突然、バスタオル姿の葵さんがドアを半壊させながら乱入してきた。
「年頃の娘がシャワー入ってるってぇのになんのリアクションも無しかい!
 そりゃあ失礼ってもんじゃないのぉ!!?」
血走った目で龍麻の胸ぐらをつかむ葵さん。
肌は上気して色っぽいっつーかのぼせたらしい。そういえば1時間くらい経ってるかも。
ああ良かった。神様っているんだね。龍麻は心の中で感謝した。
でもね、神様。
「こっちへこんかい、じっくりタップリ事情聴取してやろうじゃない!」
ズルズルと美里邸にある地下室(制作・葵さん)へと引きずられながら龍麻は思った。
助けてくれたのはいいけど、その先が更に地獄ってのはどうかと思うなぁ、ぼかぁ。
数日後、すっかりしぼりとられてヨロヨロな龍麻とタンパク質たっぷり摂取しましたって感じのツヤツヤの
肌をした葵さんが地下室から出てくるのだけれど、それは別の話。
あと、マリィがあの感じを忘れられずに本物のメフィスト相手にいけない道を歩き始めるのだけれども
それもまた別の話。



おわる