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※ヴェイン性転換(男→女) 百合夢です。キス有り。 殆ど無意識にキスをした。抵抗が始まると、体ごと押さえ付けた。 「ん…っ、や!」 (わああ、かわいい…) 私の中でばたばたと暴れて、それでも私には敵わない。小さくてか弱くて、簡単にこの手に収まってしまう。いともたやすく、征服してしまえる。 抵抗も収まってくる頃を見計らって、唇を離した。上気しているヴェインが、私を見て、また胸が高鳴る。 「、あの…」 可愛い。もう一回やっちゃおうかな、いいかな、いいよね! ちょっと薄めの唇に口づけようと近づくと、後退りされる。…あれ。 「わああああ!」 「ヴェイン!」 すぐに追い掛けたのに、なかなか捕まらない。ヴェイン、いっつもうろうろしてるから知り尽くしてるのだろうか。見失ってしまって、近くに腰を下ろした。 でも、失敗した。そういえばヴェインの返事も聞かずに暴走した。私は好きだからいいけど、ヴェインはいやだったかもしれない。好きでもない人と、キスなんて。私なら絶対したくないのに、ヴェインにしちゃうなんて。ヴェインからしたら、追い掛けられるのも気持ち悪い…だろう。 私は、見失った姿を探すのをやめた。 「ヴェイン、一緒に食堂行かない?」 「! ご、ごめん。私、グンナル先輩と約束があるんだ…」 あれ以来ヴェインはよそよそしい。目が合えばすぐに逸らされて、全然話してくれないし、調合も一緒にやってくれない。自分が招いたとはいえ悲しい。それに先輩と約束ってなんだろう。先輩とは…もういい仲なのかなあ…。…そしたら私、勝てる気がしない。 その後も誘ったけど断られて、謝る機会も作れずにいた。その間、何度もグンナル先輩と居るのを見た。本気で嫌われたか、もうグンナル先輩と付き合ってたりして…。 「、ヴェインが探していたぞ」 「え? 本当ですか?」 「校庭に行ってみたらどうだ?」 (とにかく、謝らなきゃ…) 走って行くと、ヴェインがベンチに座っていた。裾を掴んで俯いている姿が可愛い。こういう小動物みたいなところにきゅんとしちゃう。でもいまは顔がみたい。目が合うのも、気まずいけど、ちゃんとみたい。 「ヴェイン!」 「…」 「ヴェインが、私のこと探してるって、聞いて…先輩に…」 隣に座るって嫌がられたくはいから、立ったまま言葉を待った。ヴェインはもじもじとなかなか話し出さない。 あれ。なんで先輩が私に教えてくれたんだろう。怪しい。あの人案外ひどいことも簡単にしちゃうし。ヴェインとグンナル先輩が付き合ってるかもしれないし。つまり、私、フラれる…。 (「私グンナル先輩が好きなんだ。それに、もうグンナル先輩と付き合ってて…だから飛鳥ちゃんに付き纏われると困るんだ」とか言われちゃうのかな。私のこと迷惑ですって言われたりして…。そんなの、そんなの…) 「そんなのいやあああ」 「えっ? どこにいくの?!」 嫌いとか言われたら立ち直れない。ヴェインが私を呼び止めたけれど、半泣き状態で脇目もふらず逃げた。ちょっと行ったところで、誰かにぶつかってしまった。 「どこへ行くつもりだ?」 「グンナル先輩…」 「!!」 「仕方あるまい。ヴェイン、ここで言ってやれ」 聞きたくなくて逃げようと暴れると、グンナル先輩により強く押さえられた。泣きそう。 「さっさと吐け」 「吐けって、先輩違う気が…」 「つべこべ言っていると逃がすぞ…」 「わああ、待ってください!」 気を引き締めた様子でヴェインが私を見据える。 「のことが、す、好き!」 「…え?」 私の聞き違いだ。思い出されるのは、告白した日に逃げられたことと、この数日避けられたこと。聞き違い以外にない、と思って待つものの、二度目はなかなかこない。でも聞き違いであってほしい。 「ヴェイン、もう一度、言ってくれない?」 「ええと…好き……、です」 「っヴェイン〜…!」 泣きやんでからグンナル先輩が居なくなったことに気付いて、ちょっと感謝した。アトリエエントランスなのに人目がないところをみると、先輩が気を使ってくれたのかもしれない。 ヴェインも私を好きと思うと、胸がいっぱいになる。両手をぎゅっと握ると、握り返してくれた。 「ところであの時、なんで逃げたの?」 「…の顔が怖かったから」 「えーっなにそれ! ひどい、キスしてやるうう」 |