「人の子は、所詮人の子だな。頭を使えぬ。いとも容易く、息絶える。」
坊主の足元に三体ほどの死体がある。乾いた血で土の表面が黒光り、未だ底付かぬ血が、傷口から溢れ出、更に被さる。戦場にでれば必ずある光景。坊主のセンチメンタリズムに感化されたのか、それがいやに残酷に見える。
「坊主! なにをするんじゃ」
やおらしゃがみ、雷公鞭の柄でひとつの死体の顔を突き出す。奇行を止めるのは、言葉でしかできない。いまの一度も、こんな姿を見たことはなかった。はっきり表に出す場面もないが、道義心のはっきりしているはずの坊主がする行動ではない。衝撃的で、信じられず、腕を掴んで制止することができなかった。
「かように、顔も分からなくなるほど潰せば、断ち切れるか。が戦で呆気なく倒れることを想像する煩悩を、振り切るに最適な方法はあるか、伏犠。遠呂智と妲己を捕らえる命を授かった私には、を護れないだろう。ならば、この農兵のようにすることしか浮かばぬのだ。護れぬなら、始めから存在を消してしまうしかない。そうではないか、伏犠。」
(思い返せばいくつも解決法があった。術に掛かったように考えることもせず自然と肯定の意を示しておった。火河決戦にの豪壮な薙刀捌きはきこえない。)
SAS「君こそスターだ」タイトルお借りしました