綱吉が性格悪い、というか別人です。
ので、受け付けなさそうな方はお戻りくださ、い。
綱吉を外へ追いやると、ダンッ、と大きい音がした。きっと玄関ドアを殴った音。部屋にある窓から覗けば、玄関が見える。でも、そうする気にはなれない。おそろしくて、できない。どうして、怒らせてしまうんだ。でも、しょうがない。綱吉に従うなんてできない。
時計を確認すると、七時。三時間、経っている。眠ってたんだろうか。寝た実感はない。「ようやく起きたか」「ひっ!」振り返ると、ベッドに脚を組んで座るリボーンくんがいた。萎縮したような感覚を味わった心臓、動悸がしばらく治まらなくなった。落ち着きを取り戻すとリボーンくんが口を開いた。発するのは、私を誡める言葉。
私は正しい。確信している。家を裏切る愚行をするならば、死を望もう。私の全ては家のため、主のため。他人に絆されることは有り得ない。忠誠心だけで生きてきた。能力貧乏家はそれだけで生き延びてきた。
(痛い、のに痛くない)
始めに折られた肩の辺りの骨が、じくじくと痛む。それ以来、新たに折られると注射器を注される程度の痛みに軽減されていき、痛みは断片的。寧ろ肩の痛みが異様かと思う。綱吉は厭きたのか、私の体の操作を止め、椅子に腰掛ける。「」、
「はやく、この家捨てなよ」
嗤わせる台詞を吐いてくれる。
きっと脳みそのどこか、故障している。身体の痛みはあれども、精神が一部決壊したよう。恐怖の念などなく、しかし嗤いが込み上げてくる。愉快。綱吉の全てが、いま、滑稽。咽喉からこみ上がる音を呑み込む。が、咽喉が鳴る前にその音は口から零れ出てしまった。状況は悪化するだろう。でも、なら。どうせなら最悪まで持っていく?
「無理だよ。無意味だよ、それを私に要求するのは。私でこんなに遊んで、まだ言うの? 気が晴れないならもっと遊んでいいよ、どうにだってして。でも、私は、一生この家の人間」
ぐにゃ。鬼面と化す綱吉の顔。ああ、なんだか愉快。虐げられてた仕返しができて、晴れやかな心。ブルブルと震える振り上げられている腕を見詰める。綱吉の精神を揺らがせた事が楽しい。ああ、あの手で殴られるのか。いまなら全て楽観できる。なにをされようと高らかに声を張り上げてやろう。