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「…と、私は思うのです郭さん」 「じゃあ帰れば?」 「それは、いやざます」 「じゃあ やるの。するしかないでしょ」 時々英士の姿が滑稽に見えてしまうのは何故でしょうか。私の後ろに私がいて、それは私が想像する幽霊のよう。透けてて、パンピーには見えなくてフワフワと浮いていて彼を怨恨の眼差しで見下ろしている。勉強に励む英士はとってもいい子なのに、こんな空想でも彼を見下す私は悪い子? 嫌な子? 「、早くやりなよ。俺そのうちロッサあるんだけど」 「やだ。遊びにいこうよ。サボっちゃえばいい」 「駄目に決まってるでしょ」 「うーあー。結人くんたち来ないかなー」 「だらけるだけなら帰ってくれていいよ」 「いやだってばもう、英士のばか」 両脇に手をついて天井を眺める。これといってなんでもない。強いてあげるなら白い壁紙が張ってあって、日本らしいという低さ。 そしてまだ、私はそこに浮いている。 ねえその目はどうにかならないの? そんな目で英士を見ないで。 自分に話しかける虚しさが私に穴を空けた。そして彼女は視線を移した。 頑張れる英士と根気の無い私。サッカーに没頭する彼だけど、わたしには何がある? 英士を近い場所で見てきた。だからこそ長く夢中になれる事が無いことにコンプレックスを感じているんでしょうか。それに結人くんと一馬くんも私の友達なのか。きっと違う。彼らが私といるときは英士が居て、大して話もしない人たち。英士が外で作ってきた友達。ひどいひどいひどい。知らない場所で動いている英士に不安を感じる。英士は、いつ貴方の世界に行ってしまうの。私と貴方の世界で十分なのに、ねえ、私はそうなのよ。決して恋愛感情じゃない。それによっての独占欲じゃない。彼女の視線から、瞳から嫌でも読み取れる感情が穴を埋める。彼女は知っている、未来の私と彼の関係を。 |