資料館の深層部で膝を抱える。いつも此処であの子がくるのを待っていた。「やっと見つけたわ〜、ちゃん」 ゆったりとした口調。少し咎めるような、でも嬉しそうに聴こえて堪らなくなった。彼女は私をちゃんと覚えている。私が居なくたって気に留めないクラスメイトじゃない。頬が緩むのを抑えられない。恥かしくって膝に顔をうずめて隠した。
あの子はまだ私を忘れていない? ここにいたくない。さみしい。

久しぶりに人の声を聴く。私に話しかけるあまい優しくする声。
銀の髪。少し似ていてドキリとした。全く短くてガッカリした。赤い髪の人の人がその人に話しかけて、人が沢山集まってきた。桃色の髪、黄色の髪、水色の髪。もう一人。紫のリボンを可愛く飾ってクマのぬいぐるみを抱いている女の子。  いた 。うろ覚えになってしまっていた表情。ふわっと降りてきた記憶に感じ入りそうになったけれど顔をうずめないでじっと見つめる。どきどき、する。あなたはわたしをおぼえている?



「あら、可愛い子ね〜。お名前はなんて言うの〜?」