炎色反応 第三章・25
イーリックが舌を使うたび、淫らな音とともに羞恥と切ないうずきがわき起こる。
このままならきっとまたすぐに絶頂を迎えてしまう。
――だけど、本当は舌よりもっと欲しいものがある。
まだ服を乱してもいないイーリックの、逞しいものに犯されて達したい。
「だめ…っ…!」
脳裏に浮かんだ浅ましい欲望を、ティスは必死になって否定した。
「イーリックさん、イーリックさん、やだっ! あなたのことは好きです、好きだけどこんな好きじゃない!」
彼は血の繋がりこそないが、家族のような存在だ。
淫欲に溺れ、どれだけ恥ずかしい生き物になったとしても、イーリックに犯して欲しいなんて思うのは間違っている。
しかしイーリックの意見は違うようだった。
「やっぱり、僕のことが嫌いなのか?」
顔を上げ、彼は悲しそうに言う。
伝わらないもどかしさにティスは答える言葉を失ってしまった。
違う、彼のことは確かに好きなのだ。
好きだからこそ、こんなことをしたくないのに。
「………昨日、初めてした時、ティスの中、熱くて、狭くて、たまらなかった」
熱っぽい声でイーリックがつぶやくのを聞こえる。
言いながら彼は、自分が濡らした穴の中に人差し指を差し入れてきた。
「あっ」
ねちゃりという音がして、指は呆気なく根元まで埋められてしまう。
拒むようにぎゅっとその指を締め付けても、彼は逆に嬉しそうにするだけだ。
「ティスのここ、すごいよ。きゅうきゅう締め付けてくるね」
「やめっ……や、抜いて、やだぁ…」
頼んでも、無論聞き入れられることはない。
イーリックは奇妙に優しい笑顔のまま、唾液に濡れた穴の中をその指でかき回す。
「僕が、君の初めての男になれたら良かったのに」
「あっ、もう……や、指っ……っんんっ」
指を二本に増やされ、次第に抜き差しの速度を速くされてはティスは切れ切れにあえぐしか出来ない。
「ねえ、ティス。もう村に帰らなくてもいいだろう? 僕といっしょに、どこか遠いところで暮らそう」
ささやく声を、彼はティスの上に身を乗り出しながら言った。
唇からちろりと出た舌先が、悪戯するようにティスの硬くなった性器の先を撫でる。
短く息を飲むと、再び先をくわえられた。
「やっ! あ、あッ…」
前と後ろ、二箇所の性感帯を同時になぶられる。
しかも彼は、指と舌を交互に使い分けた。
舐めしゃぶられて震える性器から離した口を、肉の穴へ。
先ほどまでそこをいじっていた指は性器を握り込み、激しく上下にこすって淫らに鳴かせる。
そうかと思えばまた指を中に差し入れ、舌と一緒に潜り込んだそれに同時に犯された。
執拗な愛撫にティスの肌は桜色に染まり、掲げられたつま先は痛々しく反り返っている。
「あ、はぁ……あ、あ……」
どれぐらいの間、そうされていただろうか。
ひくひくと胸を弾ませ、ティスは震える息を吐いて達した。
性器の先から漏れ出した精液が、ゆっくりと平たい腹の上に流れ出す。
そのさまをティスは、唾液を口の端から滴らせながらぼんやりと見ていた。
連続して迎えた絶頂に心まで萎えてしまったようだ。
抵抗の気力ごと、イーリックの優しくも激しい愛撫にどろどろに溶かされていく。
「これからは僕が、ティスを守ってあげる」
その形で固まってしまったようだった足を左右に割られた。
むき出しになった穴に亀頭が当たる。
「僕が、こうやって君を満足させてあげる。あいつよりも、他の男よりもずっと」
入り口が彼の大きさに押し広げられる。
半分諦めていたことだったが、ティスは最後の力を振り絞って身をよじった。
「嫌、だめっ……あああっ!」
だが、そんな抵抗が何になるだろう。
叫びも虚しく、イーリックのものは深々と白い尻を貫く。
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