炎色反応 第三章・2
逆らうことも逃げることももう諦めた。
だからせめて、痛いことや怖いことを出来るだけされずに済むように生きていきたい。
あまりにも卑小な、けれどそれが現在のティスに許された唯一の願いだった。
「んんっ…、あ、あっ」
ぬるつき始めた穴を指で押し開き、自分で慣らしていく。
感じる部分はもう分かっているから、敏感なそこを人差し指の腹でぐりぐりと刺激した。
「あ、あっ……ああ……」
途端に甘い感覚が体中を駆け巡り、性器と乳首が見る間にたち上がっていく。
しているのは自分の指だが、教えられたこのやり方は金の瞳でこちらを見ている魔法使いのものだ。
そのオルバンは自分の躾の成果に満足しているようだった。
赤い宝石のはまった指が、目の前でぷくりととがった乳首をつまむ。
「んっ」
とがりをさらに鋭くするよう、軽く引っ張りながらいじられて息が詰まった。
「手伝ってやろうか」
笑いながら言った青年の指が尻に回る。
何の前触れもなく、指が一本水音を立てて根元まで埋められた。
「ああっ」
基本的にオルバンは、させるより自分でいいようにもてあそんで反応を見る方が好きらしい。
ティスに準備をさせるのも羞恥を感じさせること自体が目的であり、最終的には大体こうして自ら手を出して来る。
「んんっ……オルっ………、…ああっ」
慣れた指先がいつもの場所を探り当てた。
性感帯をじかにこすり上げるその動きに、声を抑えられない。
「はっ…………ああ、あ、あああっ」
オルバンは己のものからにじみ出る体液を取っては、それを塗りつけるようにしてティスの中を撫でている。
気持ちいい。
でも、物足りない。
「あっ…、…あっあっ…………、オルバン様ぁ…」
ティスはもどかしげに甘えるような声で彼を呼んだ。
「淫乱」
軽くあごを逸らし、魔法使いは蔑むように薄く笑って聞く。
「もう入れて欲しいのか?」
「んっ………ほし…入れて下さい……」
この手の台詞も言い慣れて来た。
まつげを震わせ、水色の瞳を淡く潤ませて、少年は挿入をねだる。
こうしなければいけないんだと分かっている。
でも、その言い訳にすがっていることにもぼんやりと気付き始めている。
「いいだろう」
語尾に笑いをにじませ、オルバンが腰を掴んで来た。
「あ、あーっ…」
ずぷりと音を立て、亀頭部分が丸ごと尻の中に埋められた。
求めていた熱さに早速狭い肉壁が絡み付く。
しかしそれを振り切って始まるはずの抜き差しがなかなか開始されない。
「オルバン様…?」
いぶかしげにティスが彼を呼ぶと、オルバンはティスの腰を掴んで支えながら聞いて来た。
「お前の望み通り入れたぞ。この後はどうするんだ」
からかう声に、ティスは彼を含んだそこがひくひくしているのを感じながらそっとつぶやいた。
「全部…………奥まで、入れ……ひっ!」
言った途端、腰にかかっていた腕が下方に引かれる。
半端なところで止められていたオルバンのものを、ティスはいきなり根元までくわえ込んでしまった。
きつい入り口が広げきられ、彼のものの大きさを嫌でも意識させられてしまう。
「この後は?」
わずかに下方にある金の瞳を見つめ、ティスは息を乱して言った。
「抜いた…り、入れたり……して………、オレ…中、犯して下さい…」
「抱く」ではなく「犯して」と彼はせがむ。
オルバンはククッと喉を鳴らした。
「ああ、たっぷり犯してやろう」
言いざま彼はティスの腰から手を離した。
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