「ユニット状でも、一応目としての機能は果たしているようだ。その場合、どうせならユニットとして必要上やって欲しいところがある」
「ユニットは、どの種族が装備しても必ず発動するのが殖装者保護機能だ。その機能により、目を守ることを前提に発現しているとも考えられる」
「なるほど、目が外部環境に対しあまりにも弱いと判断すれば、そこを守ることを前提にするわけですか。それなら、目と同じく外部に露出している皮膚での殖装時発現とはまた違う可能性も出てきますね」
「うむ、目が皮膚よりも弱く、器官としても特殊なことはユニットでも判断されるはずだ。となると、目は光も通さない完全防御もしている可能性がある」
「でも、話の中では、頭部センサーではなく目から視覚情報を得ていたようですが?」
「目を外界から守るのは、肉体を守る機構とそれほど変わりませんが、より目を安全に保護するなら、目が乾燥しないように湿度が重要になりますね」
「視覚情報が目に入るようであれば、光量も調節しているのだろう。湿度と光量調節の二点が、目に発現したフィルターの大きな役割になるのだろう」
「それは便利で良いですね。意図せず視覚障害を被ることもこれなら避けられそうです。あえて情報を得るために光源元を見たい場合は、視力障害を被ろうとも対応してくれるのでしょうか?」
「殖装者が見たいと思えば、ユニットとしてはそう対応するのかもしれんな。ただ、視力障害を被るまで見ても、瞬間視力障害で見えなくなる可能性もある。その場合でも見たい場合は、目の部分だけ高速に治療を行いながら強引に見続けることになる」
「そういった場合でも、強制的に光量を制限するようなことはしないわけですか」
「やはり、そこはユニットが担保できる範囲で行えるかどうかで判断するのだろうな」