「無呼吸化は、様々な環境適応をするために重要な機能だが、必ずしも無呼吸じゃなくてはならない理由もない」
「そうですね、少なくとも地表では無呼吸になる必要がありません。そのあたりは臨機応変に酸素を取り入れているかもしれません」
「人間は、戦闘で多くのカロリーを消費する。その場合に酸素は重要であり、周りに酸素があればそれをそのまま供給した方が効率が良いはずだ」
「ユニットは単独でも養分供給可能ですが、必要最小限しか与えない場合もありますね」
「そのために、外部から取り入れられるものは取り入れ、代謝活動を支えている。無論、殖装者にとっての毒となる環境では、無呼吸に切り替えることができる」
「その場合、酸素を取り入れるのは肺からといことでしょうか?」
「そうかもしれないが、せっかく最初の段階で無呼吸化しているなら、肺の負担も考えて肺ではなくユニットの皮膚から呼吸しているかもしれないな」
「なるほど、それなら万が一揮発性の毒が散布されても、ユニット側で判断して毒物を体内に取り入れないようにする措置も可能ですね」
「ユニットの治療効果が高いといっても、毒物は体内に入れないに限るからな。ユニットが生体から作られていることで、皮膚呼吸ができる上に毒への完全防御も行えるなら、外部環境適用度はかなり高いと見て良いだろうな」