時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※マーメイドについて:

質問者
「マーメイドかわいいですね。まさに物語にあるような美しさ・・・て笑うと恐っ!」

へっか
「美しく見えても、目的は兵器として模索していた存在だからな。どのような恐ろしい能力を持っているか知れん」

質問者
「かわいいのにもったいない。まあ、このような形態だと人間と結び合うことはできそうにないですね」

へっか
「君はそこに夢を見ないのか。意外と現実主義だな。物語では魔法で人間になったが、それに習えば獣化前には人間かもしれんな」

質問者
「それなら良いんですけどね。でも、そうなると全身的な獣化とは違い、半身獣化となりますか」

へっか
「見た目半身獣化であっても、体内構造が大きく変化して実質全身変化である可能性もある」

質問者
「なるほど、その方向性も考えられますね。問題は何を目的にそのような変化を起こすのかですね」

へっか
「水中適応は、当然ながら陸上のそれとは大きく異なる。海獣類などに見られる進化は、完全とは言えないまでも水中で活動しやすくその形状を変化させている。少なくとも、そのことが人魚でも適用されていなければ意味がないな」

質問者
「水棲哺乳類では、水中から酸素を取り入れられないところがまだ万全ではありませんね。人魚も上半身は哺乳類なので、やはりそこは同じなのでしょうか」

へっか
「それも判然としないところだな。下半身は完全に魚なだけに案外酸素の取り込みもうまくいっているかもしれん」

質問者
「下半身の魚の部分にエラでもあればそうかもしれませんね。エラが無ければ皮膚呼吸になりますが、当然効率は落ちますし、哺乳類のように多くの酸素を必要とする生物には向きませんけれども」

へっか
「とにかくも、人魚が水中型の模索の1つで開発された可能性は高い。しかし、ゾアノイドではマーメイドの事例が応用されたことはなかった」

質問者
「戦略的には、水中を早く泳ぐタイプは必要なかったということでしょうか?」

へっか
「マーメイドのメリットといえば、二本足で泳ぐよりも早そうである点だ。これに特殊能力を加えることも可能だが、それ以前に下半身が完全に魚では水中以外での用途が望めなくなる」

質問者
「クロノスでは下半身魚は踏襲せず、ウロコを全身に入れ水の抵抗を少なくし、足にはちょっとしたヒレを付け筋力を増幅させ遊泳性能を高めれば良いと考え開発していました」

へっか
「獣化しても二本足のままなら、海上部隊を乗っ取ったように戦略的価値が光ってくる。何段階でも獣化できるなら、人間→魚→獣化と状態によって形態選択も可能だが、獣化は基本的に一回だけとなっている」

質問者
「特殊事例でも無い限り、多重獣化は意味はないですね。肉体への高い負担がかかるだけですし」

へっか
「人魚は、思いつきで人間と魚類の良いところを合わせ、そこから何ができるかを考えただけなのだろうな。降臨者の高い技術力なら、遺伝的に多きくかけ離れた魚類と人間を組み合わせ、うまく一個の生命体として成り立たせることはできた。ただ、それが軍事的意味をもたないことは先ほど述べた通りだ」

質問者
「降臨者においても、人魚から応用はあまりされなかったみたいですね。愛玩として置いただけと言われても反論できません」

へっか
「魚は、水中移動には確かに向いてはいるが、全ての液状帯で応用が可能とは思えない。毒性の高い水中は論外であろうし、そうでなくても塩分濃度が変化しただけで適応度が下がってしまう。液体の粘性度によっても、ヒレで泳ぐ意味が薄くなる可能性もある」

質問者
「そうですね。飽くまで地球での適用から導き出した形態であるので、地球には無い液状帯全てに応用させるとなるとまだ遠い話だったのかもしれません」

へっか
「降臨者は、まず戦略的価値が高い陸上での戦いをまず制することを考えたのだろう。大気中での戦闘形態は、水中型と比べ遥かに多いことからもその可能性が高い」

質問者
「人魚は模索状態で開発された種であり、毒にもならなかったということですね。それなら余計に愛らしく思います。これが上半身魚で下半身人間と逆だったらと思うと泣けてきます」

へっか
「君の人魚好きは、上半身人間が限定なのだな」

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