「照準機能は、視覚的な追尾を基軸にセンサーがより正確に目標を捉えることで成り立つ機能とされている」
「つまり、目で追っただけでは正確でないので、センサーがより補正をかけるということですね」
「それにより、視覚では限界がある壁越し透過の焦点もセンサーにより自動的に合わさることになる」
「ガイバーでは、搭載兵器の使用でもその照準が役に立っていますね」
「うむ、まずは照準性能ありきのことで、ガイバーのように強力な破砕兵器を搭載した場合でも、応用的に照準を合わせ機能させることもできるようだ」
「降臨者が身につけていた場合に、例えばスマッシャーはどの程度の威力で、何のために照準を合わせて使用していたのか、そのことも合わせて考える必要がありそうです」
「どちらにしても、照準機能がついているのだから、ある程度の距離に影響を及ぼせるようにはできているのだろう」
「距離に対する焦点合わせは、センサーが元々の仕様として精度があれば可能なことなので、予め使用目的を決めていたかが微妙なところですね」
「そうだな。例えば降臨者では近距離用に使用していたとしても、近距離ならではの精度が必要になる。ガイバーのスマッシャーでは、対象物は近中距離にあっても、影響としては遠距離になる場合がある。ここでどの程度の補正が行われたかは難しいところだ」
「ガイバーじゃないですが、ギガンティックではかなり長距離照準も可能になっていますね」
「ギガンティックでは、ガイバーよりも数段精度が上がっているとも見えるが、本当にそうなのかまではよくわかっていない」
「ギガンティックのセンサーはガイバーのそれよりも巨大で数も多いので、必然的に解析能が上がっただけかもしれませんね」
「何にしてもセンサーの照準補正能力はユニットの運用上必要なことは確かだ。環境把握性能を付加したことで、殖装者が意図しなくても防護できる機能を有し、また意図した物理的影響を与えるためにも、照準性能はどうしても必要になるはずだ」
「見たいもの、見ようとしたものを自動で照準を合わせることは、ユニットの自律運動にも役立ちますね。自律運動時には、これを見たいというはっきりとした感覚はないのでしょうが、動くものに反応したり、物性の一部違うものを把握し照準を合わせることで情報を得られれば、それにそった行動も可能です」
「そうであれば、自律運動を止めたい場合は、センサーを破壊するのが有効になる。ただ、センサーの再生速度が早すぎる場合も想定されるが、それにより一瞬の隙を突いてガイバーを撃滅するぐらいは可能だろう」