時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※センサーに必要になること:

「センサーに必要なのは、種族ごとの適合性になる」

「そうですね、一言で言えば簡単ですが、実際に行うとなるととてつもないことでもありますね」

「宇宙での生命進化において、ある共通性を見つけられたならともかく、そうでなければ異なる生物種に同じセンサーを付加するのは本来暴挙でもある」

「そのあたりは判然としませんね。降臨者の宇宙生物学がどのレベルに達しているかにもよりますが、今のところは単純に可変度合いが大きいユニットがうまく合わせているとの考えるしかありませんね」

「あとは処理速度だが、これはやはり種族ごとに合わせないとだめだろうな」

「殖装後も違和感のないように速度を合わせるわけですね」

「ユニットより処理が早い場合にはまた難しい問題もあるが、遅くする分には対応可能であるのだろう」

「ユニット側の処理速度にはやはり限界があるのでしょうね。より処理速度が速い種族に合わせてユニットの処理も変化するということはないのでしょうか?」

「強殖組織部分とは違って、メタル処理の速度はそれ自体速度の向上は考えにくい。メタル部分は飽くまでユニットの運用上必要な処理を行うだけで、統括部分まで種族ごとに変化するのは不安定すぎる」

「そうなると、どういった種族でも殖装できるという可能性は低くなりますね」

「ユニットに適合しない種族がどういう類のものかは、実際に殖装させてみないとわからないな。処理速度によって合うか合わないかすらも、このこと無くしては証拠として突き詰めるのも難しい」

「未調製人間とゾアロードでの殖装状態の違いが分かっても、同じ種族での中でのことなので判然としませんね」

「そのあたりは興味深いが、現時点での追求が難しいところだな。実際には違和感があっても問題ないかもしれん。仮説を立てるにはまだとっかかりが少ないから今は置いておくとして、あとはセンサーの処理速度なりが何を基準にしているかも考えてみるか」

「殖装したときに、種族仕様などの情報を得て処理を決めるんじゃないでしょうか?」

「それでも良いが、それは飽くまで前提であって実際に目から得られる情報とその処理レベルは、同じ種族でも多少は違ってくる。実際にそれを知るには、殖装者の目を実際に機能させ、そのトレースにより処理速度を合わせることが一番確実だ」

「なるほど、センサーがあるのに目の部分がユニットで発現しているのも、そういった理由があるのかもしれませんね」

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