時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※後天的な思念波阻害:

「思念波の阻害は、まずユニットが思念波を殖装者保護の観点から邪魔であると判断し、同時にその解決策を殖装者の中から求めることになる」

「ということは、支配的思念波が殖装者に届かないと、思念波を阻害する措置がとれないのですか」

「うむ、遺伝的に阻害できる場合は先天的だが、思念波が届くまでは害として働くわけではないから、後天的作用ということになる」

「これはユニット特有の事後処理性能にマッチしていますね」

「身体的に何らかの変化が起きた後に解決策を導く、これがユニットの最も重要な機構でもある。思念波を受け取った殖装体が何をもって害と感じるのかだが、基本的に思念波は思考や行動を束縛するものだから、殖装者にとって害以外の何者でもないことになる」

「でも、それだけだとユニットが存在する時点で思念波支配は全く成り立ちませんよね」

「降臨者としても、ユニットが思念波そのものを害とするはずはないと考えていたはずだ。思念波を拒否する因子がやはり別にあり、それをユニットが引き出して利用した可能性が高いだろうな」

「確かに、動きを外部から束縛されることは殖装者にとっても害ですが、それが純粋な仕様である場合は除外することもあってはならないことです。殖装者が思念波に依存する体質である場合は、思念波受信とセットで、ユニットが殖装者を管理する必要があります」

「思念波支配は完璧だったが、戦闘的生物を目指す進化の中では、遺伝的に複雑に組み込まれていく中で反駁性が生まれ安い。ゆえに、思念波に依存しにくい生物に至るのはある種必然だったのかもしれんな」

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