ユニットと殖装者は、この誘殖組織が仲介役として両者をつなぎとめている。誘殖組織は、ユニットを身につけると同時に殖装者に発生するものである。
誘殖組織は、メタルと接触を持たず、独自に殖装者へ寄生する形をとっている。そこで、誘殖組織が置かれている状況を以下に示した。
メタル制御下から離れている
元々は強殖組織だったのに暴走しない
殖装者依存性があるため、暴走して殖装者を破壊すると自己の消滅に至ることになる。このことは、誘殖組織の性質を最もよく示したものであると思われる。
結果的に、殖装者から栄養をもらって生きている
誘殖組織も生命体であるからには、何らかの形で機能維持を行う必要がある。ユニットを殖装し続けるならともかく、人間の場合はほとんどユニットを使わないため、エネルギー依存は殖装者に依存することになる。
もし誘殖組織の一部を切り離したりした場合、
殖装者の元に戻る
自己消滅し、切り離された部分が再生する
切り離された部分が増殖し、元の強殖性を復活さえる
切り離されること自体危険と判断し、独自にユニットを呼び出し、殖装者を守ろうとする
以上のいずれかの振る舞いが考えられるが、今のところどの状態も報告されていない。クロノスが首尾よく深町を捕らえたなら、実験により誘殖組織への干渉は確実に行われ、そこで素性が明らかになることだろう。
仮にクロノスが首尾よく誘殖組織と殖装者を分離できた場合、どのような状況が予想されるのだろうか。
誘殖組織からの信号が途絶え、殖装者不在と判断される
分離された誘殖組織が生きていたら、はがされた時点で危険信号を発する
どちらの場合でも、結果的にユニットを呼び出して殖装者保護のための措置を取ると考えられる。最悪、殖装者が不慮の事故で消滅したら、ユニットを誰も呼び出せないと当初は考えていた。しかし、そのようなことでは殖装者を守る魅力が半減してしまう。どうせなら、誘殖組織の異常によりユニットが独自に呼び出され、本当に殖装者が不在になったら、ユニットが殖装者を再生しなおすぐらいのことはして欲しい。
しかし、誘殖組織が分離されたからといって、殖装者が必ずしも死んだとは限らない。誘殖組織のみが殖装者とユニットをつなぎとめるとしたら、
誘殖組織がどのように機能しているかをもう少し掘り下げると、
常に殖装者と張り付いているため、殖装者と認定する機能としても役立つ
他のガイバーの存在を知ったり、遠話するのに役立つ
ギガンティックと違いユニットは殖装者間で共有されないため、個人認証は重要となる。個々のユニットで発する信号が違うことは想定されるが、それが殖装者の個性に合わせたことによる結果的な違いなのか、ユニット一つ一つの企画が違うことでの信号の違いなのかはわかっていない。
あと不明な部分としては、リムーバーの照射を受けたとき、そのとき殖装していなければどうなるかである。誘殖組織が独自に反応し、勝手にユニットを呼び出し、リムーバーの解除命令に従うのか、誘殖組織だけポロっと取れてしまうのか、そのあたりはまだ判然としない。ただ、ユニットの状況によっては、ガイバー2のように呼び出すのも危険な場合も想定されるため、ユニットを呼び出すことなく解除可能であった方が望ましいこともある。
恐らく、強殖細胞が変化したものであろうが、メタル制御下から離れているにしては暴走の気配を見せない。ということは、誘殖組織はもはや強殖性を持たず、メタルの機能により殖装者と認定する信号を発するだけの生命体にまで分化させられたものであろうと推測される。ただ、この誘殖組織の一部を切り離した場合、どのような振る舞いをするかは不明である。
誘殖組織には大事な役割があるが、その役割ゆえに誘殖組織が簡単に殖装者と分離されてはならない。簡単に分離できないように、殖装者の深部にまで誘殖組織の根のようなものが延びて、複雑にからんでいると考えられる。