時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※細胞活性の維持:

「ユニットにおけるコンディション調節機能は、基本的に肉体状態の維持が大きな役割となるようだ」

「具体的には、日々活動することでの疲労感や病的素因の除去ですね。そのことで長時間動く事が可能になっているのだと思います」

「深町らは、通常行動ではユニットを身につけないから普通に疲れるし寝もする。だからユニットの恩恵は見えにくいところではある」

「そうなんですよね。先ほど疲労を除去すると言いましたが、戦闘での消耗は消耗が激しすぎて維持しにくいところがあるようです」

「降臨者とは素体から大きく違う人間スペックだから、その代謝による疲労産出量がユニットの疲労除去量を上回ってしまうのだろう」

「元々降臨者用に作られたので、そこは仕方ないのでしょうね。疲れないようにするなら、戦闘用に完全なバージョンを開発する必要があるかもしれません」

「戦闘用ユニットは降臨者間の争いの火種にもなるから、扱いは慎重になる。既存のユニットでも十分力を発揮できれはそれで十分でもある」

「確かにそうですね。そうなると、戦いを終了し、その後もユニットを身につけたままなら体力も必然的に回復するということになりますね」

「深町らは、戦闘が終わったら殖装を解除している。実感として、ユニットを身につけたままでは疲労が回復しないと感じたのか、ユニットは力がありすぎて、ちょっとした行動で不要な損壊を起こさないための措置かはよくわからないところでもある」

「巻島は、胸部に生体爆薬によるダメージを負ったときもそのままユニットを身につけ、治癒が完了した後すぐに殖装を解いていましたね」

「人間の場合、殖装を解除し、食事や睡眠をした方が回復に有利なのかはまだよくわかっていない。ユニットも、殖装者の意志で解除されただけに過ぎないから、そのまま身につけても問題ないわけだ」

「考えてみたら、全身再生後には肉体の疲労も全くありませんでしたね」

「再生後とコンディション維持は役割が違うが、これを極論すると肉体を疲労ごと破壊し、再生すれば疲労は早々に回復できる」

「でも、ユニットにはそこまで殖装者に対し干渉はできないんですよね」

「いちいち破壊を起こしてたかだか疲労を回復させても、そのたびに行動に支障が生じるだけだ。遠回りでも肉体をそのままに疲労物質だけを除去する方向でないと仕様効率が悪すぎる」

「とにかく、降臨者では身につけたまま生活の恒常性を維持しているわけですね。それが本来のユニットの使い方であると」

「ユニットを身につけても、基本的に殖装者自身の肉体変化は起きない。ただ、変化が見た目には起きないことが、このシステムの驚異的な部分なのだろうな」

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