「そういえば、ガイバーには栄養機が状態、またはエネルギー枯渇状態というのはあるのでしょうか?」
「基本的にはないようだな。体力の消耗はあっても、メタルが無事であれば飢餓状態に陥ることは無さそうだ」
「そうなると、ガイバー3がアルカンフェルと戦った後に寒冷地に飛ばされたとき、数ヶ月も飲まず食わずで問題なかったことの説明にもなりますね」
「寒冷地では、肉体の活性も確実に落ちる。冬眠機能が人間に備わっていれば、ユニットがなくても乗り切れる可能性があるが、通常は死んでしまうのだろう。それは飢餓というより低温症の類が理由が主な要因になる」
「ガイバーを着込んだことで、低温症による被害は考えなくても済み、純粋に消耗の点を精査できるわけですね」
「うむ、ガイバー3の場合でも、低温状態で強殖組織の活性は落ちた状態だった。中の巻島も、数ヶ月の間ほとんど意識がない状態だったが、殖装者保護機能があったおかげで再生も進み、巻島が眠っている間も必要な養分が供給されたと考えて良い」
「そうですね、再生があったことは代謝が起こった証拠でもありますし、それでも低温により細胞は眠った状態だったかもしれませんが、ユニットの特性上細胞を不活性にするような事故はなるべく防御したいでしょうね」
「基本的にはそうだが、巻島は気絶したままだったから、活性維持も最低限に保たれただけだと思う。もし活性を上げられるなら、気絶は少し早く解消されたはずだ」
「ユニットの殖装者保護機能の働きも、活性の維持関係ではちょっとよくわからない部分でもありますね」
「まあそれでもユニットでも、殖装者が最低限必要な活性は保つはずだ。たまたま気絶状態だったから、寝かせておくだけなら確かにそれほど代謝は必要としない。だがゼロではないから、それで飲まず食わずの数ヶ月間はやはりユニットが栄養補給を行っていたと思って間違いないだろう」