時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※視覚発現部位の透過性:

「深町は、殖装時でも目から情報を得ているので、やはりガイバーの目の部分は光を透過していると考えて良さそうですね」

「メガネのように、光を透過して視覚情報をそのまま送っているということか」

「うーん、レンズそのままなら、中の人の目が外から見えるはずなのですけど、なぜか外から目が見えるような仕様になっていませんね」

「蛋白質の配列により、偶然マジックミラーのような効果になっているかもしれんが、そもそもユニットの目の部分が光透過性でない可能性もある」

「だとすると、深町が見ていた視覚情報はどうなっているのでしょうか?」

「光が透過しないなら、ガイバーの目はレンズではなく網膜的な役割なのかもしれない。この場合、ガイバーの目から入った光情報は、メタルで解析され殖装者の視覚野に送られることになる」

「なるほど、その方法でも一応は見ていると同じ効果が得られますね」

「目を保護する上でも、光が透過しないのだから、強い光への耐性も高くなる」

「ただ、網膜を再現するというのも、なんかややこしい感じもしますね」

「そこはユニットの解釈にもよるのだろう。人間においては、視覚情報をレンズを通して焦点を調節し、網膜にそれを送る必要がある。なぜそれが必要かと言えば、そうでもしないとボヤけた情報が送られ、脳が外部の情報を感知できなくなる。この中で最も外せないのは網膜の機能になる」

「レンズだけなら、中の人の目に光情報を送れますが、目の発現としては簡素すぎますね。透過性でなければ網膜の役割を再現しないと、目の発現としては全くの無意味なほど、網膜の機能は必要なものです」

「フィルター的に薄い状態であるため、一見すると網膜しかないように思えてしまう。だが、フィルターのように薄く(といっても数センチはあるかもしれない)ても偏光効果などで人間が得るような焦点情報を得ている可能性もある」

「薄いのにかなり多機能ですね。装着物として無理のない形状を取ろうとしたらたまたまこうなったのか、そのあたりもユニットの解釈ということですね。目玉そのものだとかなりグロくなりますけどw」

「まあ、目そのものを再現しても、その支持体をも再現する必要があるから、それが不要でも済むように、フィット感がある形状にしたということなのだろう。ちなみに、この理論では、殖装者自身の目の役割は実質上不要になる。だが、ユニットでそれを再現する場合は、目の機能を解析した上で設計しなくてはならないから、目はその意味ではなくてはならない存在になる」

「人間には視覚情報が必要なのですが、ユニットの解釈としては、目は視覚云々よりも弱点であるということに重きを置かれ、それが網膜フィルター発現として考えるなら、辻褄も合いますね」

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