時にするどい質問をする青年A 謎の事情通・初老のB氏


※殖装時の嗅覚:

「鼻部も外部から見れば密閉状態だ。これにより、ユニットでの外部との解放部は、口部に限られることになる」

「そうなると、嗅覚は不要といいう考え方なのでしょうか?」

「吸気と同じく、毒物への対応のために嗅覚はあえて抑えている可能性もあるが、嗅覚は地球での進化上必要なことも多い。フェロモンによる社会性や、獲物を追うときなどは必要になる場合もある」

「となると、人間ではそれほど嗅覚を必要としない結果、嗅覚を使用しない発現状態ということなのでしょうか?」

「人間も動物である以上、そんなことはないだろう。ただ、鼻部が防がれているのだから、声を発したり目で物を見たりする場合と違い、ほぼ嗅覚は使えないことになる。口と鼻は繋がってはいるが、匂いを感じるのは鼻を空気が通る必要がある」

「少しなら、ユニット内部に空気の出入りが可能がスペースがあり、この部分に空気をはき出すことで匂いを感知できそうな感じもしますね」

「確証はないが、その場合もあり得る。殖装者が匂いをかぎたい場合はその手しかないだろうな」

「そうですね。嗅覚や味覚が、例えばユニットの手などにそれらがあれば、代替として物に触ったり空気中の匂い物質に対応できると思うのですが」

「今のところそのような仕様は見られないが、口に入れられないものまで味を感じたりするのも問題がある気もする」

「それもそうですね。頭部のセンサーでは、殖装者の意志に関わらず壁越しの敵を殖装者に伝えますが、意図せず味や匂いを伝えられたらそれは迷惑な話でもありますね」

「まあ、通常の生活をしたいなら、殖装を解除すればいいわけだから、あえて無駄な機能発現をさせない方向性もあっても良いかもしれんな」

「それじゃ、ユニットの装着意義が薄まってしまいますよw」

「だが、ユニットを使用するのにも選択権がある。ユニットでは、不必要な機能発現はしない面もあるが、そうなった場合でも、違和感を感じさせないように、ある程度は殖装者の体を改造もする。それでも、殖装者の種によっては、殖装前後でどちらを主体に置けば良いか、それを選択できるからこそユニットの着脱が可能にもなっている」

「それも利便性の追求から来た、ユニット制作者側の意図ということですね」

前に戻る
考察掲示板に書き込む
訂正箇所を書き込む