「ユニットの形状は、殖装時点からほとんど変化しませんね。これは殖装者の個性がそうさせるということでしたが、それに加えて心理的(性格など)な側面で決まることでもあるのでしょうか?」
「ユニットの形状は、深町が成長し身長が伸びるのに合わせて変えることはあっても、色や基本的な形状は変わらないようだ。深町はこれまでにかなり心理的な成長を遂げている。にも関わらず、ガイバーTの形状は全くと言って良いほど変化がない」
「確かにそうですね。巻島がやさしい性格に変化したら、高周波ソードの数が減ったり、色が変化することを期待してはいましたが」
「殖装時点で何をもって形状に反映させるかはまだよくわからないが、少なくとも変化してしまう個性は対象になっていないはずだ。個人が変わらないものとしては、遺伝子や本当の意味で変わりづらい、幼少の頃に決定される性格決定因子などは対象になる可能性がある」
「ギガンティックは、ユニットのシステムを一部入れている割には殖装者の形状に合わせて変化しまうのが不思議ですね」
「そこはまたギガンティックの項目で詳細を考えるが、ギガンティックは元々宇宙船であり、殖装者が誰であっても操縦できるように柔軟なシステムとなっている。ギガンティックの形状が変化するのも、ユニットのシステムではなく、その上位に形状決定因子がナビメタルにあるということなのだろう」
「ユニットのシステムより上位だとまずいように思いますが、そこは大丈夫なのでしょうか?」
「ユニットは、宇宙船の操作権を得るためのシステムにしか過ぎない。宇宙船は、その機能を柔軟に変化させる機能を持つ。それがガイバーの強殖組織と結びついてできた殖装システムがギガンティックだが、それを受け持つのは飽くまでナビメタルの機能だ。そこでは、ユニットのシステムは配下的にナビメタルに取り込まれているが、その操作権を持つ殖装体のあり方にまで影響を与えるわけではないと考えるのがこの理論だ」
「なるほど、ナビメタルとユニットシステムが融合したとき、ユニットシステムが上位に位置してしまったらガイバーの外部装甲として身につけることはできないですね。メタルシステムの二重性は、ギガンティックの操作にも致命的な問題になりかねません」
「うむ、そうなっていないからこそナビメタルは宇宙船(現在はギガンティック)の形状を受け持ち、それと同様にギガンティックの形状変化はナビメタル経由のままだ。このこととガイバーの形状が決定させる仕組みとはまた異なる」
「ユニットの形状は、殖装者の時間ごとに変わらない部分をマーキングし、それを発現させるだけなんですね。逆に、ユニットが変化しないからといって、心情まで変化しない印象も受けますが、それはないんでしょうね」
「知能的生物では、思考性は常々変化するものだ。それをユニットが無理矢理型にはめるのはまずありえないだろう。ユニットの外見は、飽くまで身につけた本人の特性を表しているに過ぎないはずだ」
「それに比べれば、ギガンティックは大分自由度が高い感じもしますね。深町が願えば巨大化して、ある意味これは深町の心理を得て形状変化したようにも見えます」
「心理が直接影響を与えたというより、ギガンティックの性能をより深く感じ取っただけにも見える。深町が何度かギガンティックと接触したことで何らかの確信を得たことは、イコール深町の成長であることもまた確かだ」