「ユニットの再生では、どうしてもその滋養となる何かが物理的に必要になる。問題はそれをどこから引き出してくるのかだ」
「色々考えられますけど、何もないところから再生するなら、あり得るのは異空間に必要物質を格納しておくことでしょうね」
「その場合、異空間と現世とを繋げる面で難易度が高いが、異空間と行き来するガイバーユニットならあり得ないこともない」
「肉体が破損した場合、異空間に予め格納してある養分を引き出し、それをもって再生すれば簡単ではありますね。いちいち滋養を持ち歩かずに済みますし、現世の破損は異空間とは関係ないので、異空間さえ安定していれば大丈夫かと」
「その場合、気になるのはどのような形で格納しているかだな。強殖組織の一部を異空間に放つことでそれを増殖させ、それを異空間から引き出して再生力に当てるなどだ」
「異空間のことなので問題ないのでしょうが、強殖組織はあちらの世界で暴走したりしないんでしょうか?」
「暴走か。異空間の強殖組織のまわりに、強殖組織が襲うようなものがあるとも思えんが、考えてみたら何もない世界でどうやって増殖するかが難点でもあるな」
「それもそうですね。それなら現世で生産した余剰分をあちらの世界に送り込み、かつそれは強殖組織ではなく本当の意味で栄養素的なものを送るだけというのはどうでしょう」
「その方が可能性が高そうだな。余剰分といっても、メタルが把握できるだけの量であり、無限ではないのだろう。問題は、その量によっては復元性能に限界が来ることにもなりかねないな」
「例えば、殖装体一体分の容量はまず最低限確保せねば全身再生とはならない。それ以下の容量しか確保できないのであれば、部分再生に留まってしまう。無論今までそのような半端な再生で止まることはなかったから、全身再生分は一応あるのだろう。問題は、それが何回分あるかだ」
「全身再生をするにしても、戦闘状況によっては何度も破損を被る場合もあり、何回か分は保存しておくことが望まれるわけですか」
「確かめたわけではないから何とも言えないが、短時間の中で何度も全身再生を行い、それにもし限界があるならこの説は一応正しいのだろう。だがそうでない場合は別の方法を考えなければならないだろうな」