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何となく投下

9_412氏

城内の敷地にある深い森。
石畳造りの小さな一軒家。
ずんぐりむっくりの煙突から今日も、怪しげな煙が立っている。

そこに、スキップしながらやってきた、銀の髪を靡かせる見目麗しい少女。
少女は、戸も叩かずにいきなり扉を開けた。

「魔法使いさ〜ん、あっそびっましょ!」
「や〜だよ!」
「ぶ〜!何よ! 熊から助けてもらったお礼にこうやって毎日遊びに来てやってるのに。」
「だって、君の遊びってセックスじゃん。 お断りだよ。」
「ひっど〜い! こ〜んなナイスバディでお肌つるつるで、髪艶々で、容姿バッチグーな私の
お礼を断り続けるなんて、アンタ!おかしいわよ!!」
びしっと、人差し指で魔法使いの顔を指し抗議する少女の顔は、般若のようだ。

「・・・だって、僕、女だもん。」

長い沈黙・・・。
銀の髪の少女は、ポン! と拍手を叩くと
「あっ、分かった。 明日からは男の姿で来るわ。」
と、回れ右をして、とっとと去ろうとする少女を、慌てて魔法使いは止めた。
「───あんた、男なのか!?」
「私、エルフだもん。 元々両性具有だよ。
姿は男でも女でも好きに変えられるけど。
今まで、女の姿の方が生きるの楽だったんだ、人間の雄からチヤホヤされて。」

じゃ、明日ね〜、と、スキップして帰っていくエルフを見て男のなりの魔法使いは
貞操の危機を感じた・・・・。


                                                 続かん



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