■ハート×１
おはよう、小波
それにしても、早いもんだよな
異世界に居たのも、
もう、ずいぶん昔の事に感じる…
このレッド寮に居たみんなも、
自分達の寮に戻って行って…
あの異世界で、みんな自分の大切な事に気付いて
自分達の道を歩み始めたんだ…
……………………………………
…部屋は広く使えるけど
やっぱり、少し寂しいかもな…

火山
十：小波、俺は異世界での
　　デュエルを通して、沢山の事を学んだよ
　　それは、デュエルが誰とでも楽しい訳じゃない事
　　デュエルに重大な責任が伴う時がある事…
　　その「全てを引き受ける覚悟」を持つ事が、
　　大人になる…って事なんだよな
　　誰でも、心には闇の部分があって、
　　悪の面も、正義の面もある…
　　でも、すべてを自分ひとりで
　　受け止める必要はないんだ
　　かつて、孤独と責任の重さに捕らわれ、
　　俺が闇に染まって…俺が覇王になってしまった時も
　　みんなが命を懸けて
　　俺を助けてくれたんだ…
　　ジムやオブライエン…そして小波も…
　　
ジェノサイドブリッジ
オ：…くっ……このデュエル………
　　………もうジムの負けだ…………！
翔：やっぱり、覇王に……
　　いや、十代にデュエルを挑むなんて無謀なんだ…
ジ：……覇王……いや、十代！
　　どんなに変わっていても、十代は十代だ！
覇：…………………………
ジ：戻って来い！　十代！
　　マイフレンド！！！
覇：…………………………
ジ：十代！！　聞こえないのか！！
　　十代！！！！！
覇：…このデュエルは、もうお前の負けだ
　　消え去れ！
オ：ジム！！
ジ：オブライエン……奴の……十代の心の闇は…
　　俺達の想像をはるかに超えている…
オ：あ……あぁ…………ぁ………
ジ：オブライエン………俺の体は…
　　………もう消滅する……………
　　……頼む……オブライエン…小波…
　　……………十代を………！！
オ：……ジム……………！？
覇：…………
　　…次は…………お前か…？
オ：……あ………あぁ………！
　　……うぅっ………………
　　に…逃げるぞ！！
　　小波！！
覇：…………
オ：うっ…うわぁぁぁ〜〜〜〜！！！
　　うわああぁぁぁぁぁぁあぁ〜！！！！
覇：……闘わない戦士に興味はない……
　　…………
　　……………………
　　帽子の男………
　　お前は逃げないつもりか……？
　　…………ならば…………
　　…デュエルだ！

デュエル

覇：……くっ……！！　この覇王が……
　　敗北…………………………
　　…だが……この覇王が纏いし闇の衣は…
　　………そう簡単に剥がれたりせん…
　　…心の闇は…孤独から生まれ…人の心に宿り続け……
　　………さらに覇王を強くする！！
オ：まさか…デュエルで勝利しても……ダメだと…！？
　　…ダメなんだ……！
　　覇王を倒せるデュエリストなんかいないんだ！！！
　　何してる小波！？
　　は…早く一緒に逃げるぞ！！
覇：………………………………
火山
十：誰もが、覇王である俺に恐怖していた…
　　でも、小波だけは
　　あの時、毅然とした態度で
　　悪に立ち向かう姿勢を示してくれたんだよな
オ：…そう、あの時の俺は、
　　恐怖に捕らわれ、逃げ出す事しか考えていなかった…
十：！　オブライエン…
オ：すまない、ちょうど通りかかってな…
　　盗み聞きするつもりはなかったんだが
　　…あの後、俺は異世界で大切な事を学んだ…
　　自分の心の闇と戦い、力を正しく使う事
　　それに、ジムは体を張って
　　仲間を信じる大切な心を教えてくれた
十：…オブライエンは
　　命を懸けて俺の心を取り戻してくれた
　　俺は、あの異世界でたくさんの事を学んだんだ
　　自分と他人を守る事の大切さと、難しさを…
オ：俺も同じだ十代…
　　あのできごとで、俺は成長できた気がする
十：俺は…　今度、またみんなを巻き込みそうな時は
　　自分から島を離れるつもりだ…
オ：十代…！？　本気か…？
十：ああ…　でも、みんなには秘密にしてくれ
　　みんなに余計な心配はかけたくない…
　　…約束だぜ、二人とも
オ：…わかった