私は少しばかり妄想癖のある至って普通の女子中学生。私には他中にすっごくドSな彼氏がいます。なぜ知り合えたか何て愚問は置いといて、久々に今日はデートです。精一杯、私なりにお洒落して来たつもり。
「…五分遅刻」
「あ――ッ!ごめん!ごめんね、ごめんね」
からデートしようっつったんだろ?何でお前が遅れてんだよ」
「すいません…。ちょっと、手間取って」
「どんな格好したって変わらねェっつの、馬鹿」
 馬鹿だって、馬鹿。普通ここでいいよって言ってくれるのが王子様で。俺も早く着きすぎちゃったし気にすんなよ、みたいなことを言ってくれるのが一般常識ってもんじゃないんですかね、えェ。王子様キャラの正反対を行く人、とはコイツのことだよ。
「ホラ、何止まってんだよ。行くぞ」
「あ、うん!」
 手と言うよりは手首を掴まれてそのまま歩きだす。強引なんだかただ口が悪いんだか分かんないよな。少し小走りになって、急いで隣を歩く。
、どこ行くの?」
「何がしたい?」
「ん―――…プリ撮りたい」
「却下」
 サクッと言葉のナイフが胸に突き刺さる。
「え―――ッ!何でよ!」
「この前も撮っただろ。毎回会う度に撮る必要はねェだろ」
「…ちゅープリ」
「ふざけんな」
「ふざけてない!」
「却下だ、馬鹿」
 また馬鹿って言われた…。毎回って、一回おきにも撮ってくれないくせに何言っちゃってんだ。たまには二人でぶらぶらしたいんだ。なのにデートしたいって言ったら嫌だと言われ、俺ん家来いよと言われた。そう言うんじゃなくて二人で歩きたいのにさ。今日だって強引に誘ったわけですよ。
「オケは」
「えー、と個室で二人っきり?」
「嫌なのかよ。じゃあボウリングでいいだろ」
「うん、じゃあそうする」
 また言い包められる。何と言うか、私は一向にに頭が上がらない。上げたら叩かれるのがオチだね、絶対。笑顔でにっこりいいよとか言われてみたいなァ…。

「おーッ!うまい!」
「ちゃっかり楽しんでんじゃん、お前」
「え?だってボウリング好きだよ」
 はさっきからスペアとストライクの連発。いいなァ、上手い人は。それに比べ私はガーターとかその辺のへぼへぼ。
「下手糞」
「いいの、こっちは楽しくやってんだから」
「ああそう」
 私のボールが出てくる。手にとって立ち位置まで行くと、がちょっと待てと言って近くまで来た。
、脇締めろ」
「脇?こう?」
「違う」
 の手が触れる。うわ、ヤバイ。体温急上昇!
「聞いてんのか?」
「えっ!うん!聞いてるよッ」
「…何興奮してんだよ」
「ちがッ…!」
 早くやれと急かされて、の教えて貰ったフォームで投げてみた。綺麗にまっすぐ転がって、画面にはストライクの文字が出る。
「やった!」
 初ストライクだと喜んでいたら、次に投げたもストライクを出した。何だか興醒め。も喜んでくれればいいのになァ。良くやったなとか。あ、これじゃ親だ。その調子とか。これだと売れないゲームみたい。やればできるじゃん。あ、これいいな。言われてみたいな!

「オイ、
「はい?」
「お前な、その妄想癖どうにかしろよいい加減」
「あう、だって…」
 だって彼氏と一緒だとしたいことがいっぱいあんじゃん?どんなシチュエーションでどんなことをやるかってのが大切なんだよね。妄想じゃなくてイメージトレーニングだと言ってくれれば、まだ助かるのに。
「デート中に上の空って、見てるこっちが嫌んなってくる…」
「…嫌、なの?」
「嫌だよ」
 それは何の嫌?妄想癖がある彼女が嫌?そんな奴とデートすんのが嫌?
「俺といる時ぐらい、妄想界から離脱しろ」
「…しょ、精進します…!」
 ったく、とは溜息をついた。呆れられた、かな?何だかデートする度にこの言い合いをしてるような気がする。でもなかなか治らない。だって他中だし、滅多に会えないもん。毎日会える所って言ったら妄想の中だし。ああ、もう!だからこの考えが駄目なのかなァ?
が好きなのはどっちだよ」
「何の話?」
「…また聞いてなかったのかよ。だから、妄想の中の俺が、現実の俺か。どっちが好きなんだよ」
「現実に決まってんじゃん。現実のあってこその妄想のだよ」
 意味分かんねェとは訝しげに眉を顰めた。
「妄想じゃなくて、ちゃんと俺見ろよ」
「…うん」
「分かったか?」
「分かりましたー!」
「…本当かよ。嘘くせ」
「だってかっこいいもん、
 馬鹿かお前と言われた。また馬鹿…、まァ馬鹿でもいいや。馬鹿だし。
「……アハ」
「…何笑ってんだ…」
 照れた顔する見るのって、いい気分だ。
惚れた欲目