さん」
「ん、何?」
「牛乳飲まなかったりする?」
「しない。飲むからあげないよ」
「チッ」
 給食にいつも出る牛乳。この時ははみんな、ある奴から牛乳を取られないように必死だ。
「誰か牛乳飲まない人ー!」
「……」
「何だよ、みんな飲むんかよ!いつも最後に何本か残ってるくせにっ」
 地団太を踏んで諦めの悪い奴。くんの身長は百六十八センチ、高くもないし低くもない。だから「卒業までに百七十越してやる!」なんて張り切ってる。
「…君」
「お、くれるの??」
「牛乳一日に一リットル以上飲むと、背縮むらしいよ」
「マジで!?」
 塾の理科の先生が言っていた。本当かどうかは定かじゃないけど、理科の先生が言うくらいなら本当なんだろうな。過剰な摂取は駄目らしい。

「うん?」
「俺、昨日一リットルと四百」
「うわ、背縮んじゃう」
 「俺はそれすらも、生きるエネルギーに変える!」なんて、あほな奴。でも、あたしより身長高いことにかわりないよ。
身長伸びろ!