何回も恋に恋をした、何回も人を好きになった。初恋なんてとうに通り過ぎたよ、もう忘れてしまったくらいに。一人前に友達の相談に乗って、一人前に片想い通しの人と人をくっ付けて。でも、ずっと、人を好きになると言う意味を、履き違えていたんだ。
今日は卒業式。みんなと離れ離れになる時。その時生まれて初めて気が付いた。人を好きになるという、本当の意味を。
「卒業生、入場」
聴こえたアナウンス、拍手で迎えられる私達。
「」
「はい」
卒業証書を受け取る。何を思ってるんだろう、何を考えてるんだろう。貴方の姿を、知らず知らずに目が追うよ。
「」
「はい」
足が震える、体が重い。このまま留まっていたい、歩き出したくない。時間が止まればいいのにな。こんなに、こんなに時が経つのが早いなんて。
「卒業生、退場」
聴こえたアナウンス、拍手で送られる私達。笑って卒業なんてできないよ。離れたくない、離れたくない。込み上げる想い、こんなにも遅い「初めて」の恋が、終わってしまう。
「………」
「?」
「…」
校門を出た辺り、私の頬に伝う涙。何を物語っているんだろう?もう、終わりなのになあ。
「ちょ、お前…どうした?」
「だって…だっ…」
言葉が続かないよ。「離れたくない」、「行かないで」、「傍にいて」、「好き」言えたらいいのに、言わなきゃ想いは伝わらないのに。喉で言葉がつかえて、嗚咽がもれるばかり。
「――…やだよう…」
「?」
「このまま卒業なんて…私…」
泣き崩れるようにして座り込む。
「に…何も……言えないまま、終わっちゃっ…」
「…、お前…」
が……好き。好きだよ、好き。言葉になって、口から出ればいいのに。
「、泣くなって」
「だって…」
「俺だって、お前に何も言えないまま終わるのかな、って思ってたとこだよ」
ぎゅ、と優しく抱きしめられる。いつの間にか周りには誰もいなくて。もう、帰っちゃったのかな?
「が、好きだ」
「…」
「いつ言おうか迷ってて、今日になっちゃったけど…ごめんな」
「…ううん」
「苦しかったろ?もう、いいから」
安心して、泣いていいから。優しく頭を撫ぜてくれた。
「…、…だいすき…」
「…うん……って、もう出て来いよ。見られてるこっちだってハズいんだよ!!」
「…へ?」
「なーんだ、バレちったか」
そう言って卒業証書が入った筒を持ったとか、とか、みんな出てきた。…見守られてた?
「えっ!ちょ…恥ずかし…」
「良かったなあ、ー」
「念願のちゃんと付き合えてー」
「う、うっさい!!黙れ黙れっ」
結局、ハッピーエンドなのかな、。
初恋