ずっとずっと好きだった子がいた。俺より年下で、誰よりも純粋で、まだ何色にも染まっていない、そんな奴。その子の名前、って言うんだけど、名前そのまんまって感じで。も前まで俺のことを好きみたいだったけど、やっぱり手を出すのが怖くて。って言うか俺なんかが手を出しちゃいけないような気がして、気が引けて。そのままズルズルと。
 最近はあの子にも気になる人ができたみたいで、俺への気持ちなんて当に消え去っているはずだけど、俺だけこの気持ちが顕在なのはどうしてだろう?年下なんて、興味ないと思っていたのに。
「……アド変してえなー」
 アド変イコール気持ち入れ替え、みたいな感覚が定着してきた。への思いを吹っ切るチャンスかも…なんて思ってみる。
「今のアドは大好物に誕生日だからー…もっとカッコイイ奴にしよー」
 つくづく単純だなーと思う。男は単純だ。単細胞だ。だけど単純に気持を伝えられないメンタル面も存在するって訳で。
 アド変メールを一番最初に送ったのは、
 すぐに返事が返ってくる。
 『りょーかいです!アドの意味って何かあるんですか?』
 俺もすぐに返信する。
 『「私はいつも貴方を捕らえそこねる」って意味だよ』
 少し時間が経ったあと、からメールが来た。
 『何だかカッコイイですね』
 それだけ書かれたメールに、の心情を読み取ることができなくて。「への想いだよ」と言うこともできなくて。ただ、もう返信することなく止まったメールと、携帯の画面を見ることしかできなくて。
「…
 どれほど君を愛していたか、君には分かるか?
cowardice