「もしもし?」
「あ、!俺、だよ!っ!」
「…?」
「違う、だってー」
でしょ!分かってんだからねっ」
「ちえー」
 そんなの声で分かるに決まってるじゃない。の声はもっと低いから。それに「だよっ!」なんて、絶対言わない。「…だけどさ」みたいな感じで、は言うと思うんだ。
「そっち騒がしくない?」
「こっち?全然騒がしくな……ちょ…やめ、コラ!」
さー」
さんっ、俺、た…」
「やめろって!!返せっ」
 どうやら今日はの家で遊んでいるもよう。ざわざわざわざわ…うまく聞き取れやしない。
「で?用は何なの?」
「用?何もないよ」
「えっ!?ないの!!?」
「ないない。電話したかったからしただけ」
 え、何か無性に嬉しいんですけど!用がないのにかけてきてくれたなんてね。
「えへへー」
「何だよ、変な奴だな」
のほうが変だよ」
「や、には言われたくないな」
 電話の向こうで誰かが口笛を吹く。…何だか、恥ずかしくなってきた。

「ん?」
「明日も学校来てね」
「はあ?何言ってんの、当たり前じゃん」
 「馬鹿かお前」と笑いながら言う。嬉しくて顔が緩みっぱなしのあたし。

「だから、何?」
「大好き」
「…え、
 ガチャン
 明日、はどんな顔して学校来るかな?
"Hello?"