さらさら、さらさら、砂時計。あなたは一体、何を数えてるの?
朝目が覚めると、窓辺に置いてあった砂時計。全部、全部、砂が落ちてた。あの人に、誕生日にもらった桃色の砂が入った砂時計。最初は、何のためにコレ?なんて思ったけど、今となっては大切なものになってる。
「あ、」
校門をくぐると、すぐ見えた人影。あなたは、影でもすぐ分かるの。みんなと雰囲気が違うって、それくらい分かるの。
「っ!」
「お、。丁度良かった、話があったんだ」
「え……話?」
「うん…話」
何だが嫌な空気が過ぎった。もしかして…もしかして「別れ話」じゃないよね?違うよね……?
「で?話ってなーに?」
「え…えっとねー……」
言いにくそうにキョロキョロ周りを見て、挙句の果てには背を向ける。もう終わりかな…そんな気がした。
「…、今日何の日か知ってる?」
「え?えっと…肉の日?」
「……。」
「冗談だよっ!冗談!!」
肉の日なんかじゃない、が言うくらいだから、多分凄く大切な日。えっと…何の日だったっけ?
「何だよー、忘れてんじゃん。俺がこの日を楽しみにしてたって言うのに」
「え、本当?」
「マジマジ、覚えてろよなー」
「え――っと、え―――?」
あたしに見兼ねたのか、はポケットから小さな箱を取り出した。あたしが大好きな、桃色。
「え…何で?今日誕生日でも何でもな…」
「一年!俺らが付き合ってから」
「…あ」
「今思い出したのかよ!?この馬鹿っ!」
ブツクサ言いながら、箱をあたしの手の上に乗せてくれた。よ良く見ると、アクセサリーが入ってそうな、そんな箱。
「……開けていい?」
「どうぞ」
中を開けてみると、ネックレスが入ってた。桃色の、砂時計がついた。
「……」
「ん?」
「砂時計、好き?」
「………はい、とても」
クスッと笑った。あたしの好きな桃色の可愛いネック…の好きな砂時計がついた。両方の好きなものが入ってる。
「、ありがとう!」
「どういたしまして!」
「あたし…別れ話させられるかと思ったのに」
「ええっ!なぜに!?」
「だって…真面目な顔して何も話さなかったし、言いにくそうだったし」
「それは…」とは顔を赤く染める。
「だって、が喜んでくれるか不安だったし…」
「し?」
「それに…普通照れるだろ!?」
盛大に顔を赤く染めて、「ああもう」と教室に戻ろうとする。…って、あたしに何もあげてないじゃん。ま、いいか、アレで。
「、ってば!」
「何だよっ!」
「怒んないでよ。あたし、何にもにあげてない!」
「は…」
が振り向いた瞬間、あたしは背伸びをしてキスをあげた。背が高いだったから、触れたか分からないくらいのキスだったけど。
「な…ななななっ」
「えへへ〜。じゃ、教室戻ろっと」
には、触れたと感じたみたい。
砂時計