石鹸の泡の向こう側に、わたしの部屋の鏡の裏に、革靴の踵の真後ろに
わたしが居て、わたしをみている
ついていないツンドラのわたし
夏には躓いてもみたが、世界地図の中心に落ちることができなかった
拳銃にこめられた1年前の弾丸の数
伸ばして接いだ2千通りの空想の数
3年前、4センチも足りない
わたしにさえ届かない
追って捕まえられるはずとは、彼とわたしだけがそう言う
狐色の椅子に座り、わたしは汐路の向こうについて考える
あなたに近い世界を形成しはじめた彼女について

わたしたちは19世紀、20世紀に会うべきだった
たぶん会ったでしょう
そして終わったのでしょう
しずかに燃えつきる、老朽化した日差しの、旧地球で、しずかに終わったのでしょう