遠く幼い頃の私達は一、二、三と数えていた
愛想の悪い私も、愛嬌を撒くあなたも、今は三、二、一と数えている
ようやく追いつく未来の過去も、甘やかに消失へと連れ帰るような光の頃に

ろれつの回らない舌と羅列を噛みしめて、血液を滲ませる
痛みを押し切ればふりかえらない、償いになるわけもないのに
曲線の下の肌がやわとうずいたことも、その幽かな軌道も彼方にわすれて、短い春をただ歩くのだ

衰退と繁栄のあいまを補完しておける手立てが無い
宙を行くジュリエッタ、囁きかける光年の天使、それらを砂地に埋める手
幾つもの千夜一夜を一呼吸にする航路を、すべて覗いただれかを知らない

海の畔と岬のみどりと騙されたままあなたはお休みになる
クロックワークの回転に押し込まれて、時間旅行に、あの春に
私が前進を始めても、あなたは本当にずっとうしろに居て、かつてのこの手に二度と触らない