青褪めた肌を隠そうともせず、街もあなたもここにある
今日もまだ夢を見ているような心地で、僕は時間が流れていくのを止められない
古惚けた印画紙のなかから覗くような錯覚は、こうした秘めやかな触れあいの次に喜ばしいはずなのに

不埒に足を踏み入れた宙が映る水溜まりとあなたの心に、一体どんな違いがあるだろう
今日も暗い薄曇りの空と、躁鬱がきらきらと跳ね返るあなたの気持ちの移り変わり
どちらも一度きりの変化を永遠にただ積み重ねていくだけで、もう先に同じ風情を見せることはないはずなのに

何事も宜しくない時分のたわ言を装って、世界が終わりに、新たな世界に、近付く時には同じ場所に居たいとは言う
今日もあなたは誠実に、素直に、幼さがなせる術を弄して僕の時間をたやすく止める、永遠に瞬間を引き延ばす
一時の奇蹟のような偶然で落ちた日差しにけぶる顔は、もう一度過去を振り返っても二度とは見られやしないはずなのに

午後の裏側の温かさは快いフェード、それを恐れるあなたと
風化の通りを密かに歩く