いつからか偶然はかわいらしすぎるし、必然はどうしたって悟りすぎる
所詮こんなものだと、いつものように突き落とされて教えられただけだ
いつのまにか隣にいるのは、いつだって厭味で優しくないし真面目なことを曖昧にする
頭髪が乾かないのがいつかの現実を直視させたがってでもいるようで、とても嫌だ

「漏れている声のようにあからさまな、滅びのときというのはあるのでしょうか」
度々昔のわたしから尋ねられることがありますが、それは虚妄です
見せかけの終わりと海鳥が交じる水平線
かつてこの世は天国だった
理由も欲しいものも、なんだって訳もなくいらなくて
真正面ばかりが眩しくて美しかった
たくさんの事象たちを

あなたが踏み躙る
目のまえを、さいはてを
わたしが進んだ、繋ぎとめようとした、雄大で些細なみちすじをあなたが
あなたが裸足で踏み躙る、四大悲劇もかくや
癇癪にすぎないけれど見逃してくれないか
とりとめのない現実を打診してくれないか
幕切れにはちゃんと不実も愛すから
それもあなたが笑って踏み躙る、ふるきずも鮮やかなあなたが
只中の照り返しを淡く受け止める草花の、その光景に身を埋めるあなたが