まどろみを壊す血のながれ
妄想の魔物は窓のしたで、またひとつ星が消えるのをみた

肌寒さにこすりあわせた指の隙間に汗と夜がしのびこんだ
世界の全部を取り残し取り残されて、また今夜も眠れない
温まる毛布の天幕の頭上に大気圏、そのまたうえで月が駆ける
あまりの深さに眩みそうな全天を引きつれて夜は進む

まくらに巣くう亡き人に
しみこむのはおびただしい幼さで、安心と成長の実感ではなかった

あすは雨でない、太陽はでない
それだけじゃない、どうしたって綺麗なこの目でみている
春と夏に午前三時過ぎの閃光がやわらぐことや
静脈の青さと同じの燃える宇宙の一面のこと
言い知れない不安にほころぶ淡いため息のことや
やさしい睡魔から切り離される感情のこと

さかいが解らぬ美しい日々を過ごす
どうして甘んじていられる
眠りたい