2009/08/18 EPA流修正の仕方其の一:失敗しない構造を作る
EPAは、カードゲームにおいては、素人ではないがベテランでは決してない。一般人からしたらそれなりきてるんだろうが、素人に毛が生えた程度だろう。
で、そのEPAだが、まだまだ経験不足があるものの、カード修正、特にALの修正に関してはどういった方針でやっていくべきかということに関しては、一家言ありと言えるくらいには考察をしているつもりだ。今回はそれをちょろっとカキコするというお話。
・修正の目的とは何か
修正の目的に関しては、
・運営がこうしたいと思う環境に近づけるために修正する
・ユーザーがこうあって欲しいという環境に近づけるために修正する
この二つがある。そして、運営がこうしたいと思う環境と、ユーザーがこうあって欲しいと思う環境が近い場合には、修正は成功を収める。これが乖離している場合は、失敗に終わる可能性が高い。
修正は、次の三つの方向性を持って行われる。
・カードの強化
・カードの弱体化
・カードの特化(コンセプト化)
カードの特化に関しては、ここでは触れない。
カードの強化、弱体化に関して、私は失敗しないためにどうすべきかを知っている。それは明確に原則や基準を設け、逸脱したカードを作ることが出来ないような構造を作ることによって失敗を防ぐことが出来る。
・まずはカードデザインの原則・基準を決めるべし
正直なところ、EPAはこの原則や基準が、現在のALにおいてはないところ、そして作ってこなかったことが大いに不満であって、是非改善してほしいと思っている。
なぜ原則や基準を決めないといけないのだろうか。
なぜ作ってこなかったかに関しては、いくつか推測が可能だろう。おそらくは、それを作るほど余裕のある状況ではなかったから、だと思う。今でこそある程度の規模を確保できているものの、立ち上げたばかりのころはそれはもう、苦しい経営を強いられていただろう。また、デザイナーも十分に育成出来ていなかったのかも知れない。失敗しない構造を作るというのは、長期的には重要なんだが、そもそも短期ですらどうなるか怪しい状況で長期的な戦略などは練ってられないものだ。
また、原則や基準を定めていないということは、フットワークが軽いと肯定的にとることも出来る。特に規模が小さいときは、柔軟性や俊敏性がより必要になるかもしれない。もともと失敗することは予想されているのだから、これに対処しやすい状態にしておくというのは、決して誤った判断ではないのである。
ただし、これらは黎明期において求められる、あるいは許される戦略であって、緩やかな停滞状態にあるとはいえ、5年も実績を積んでいるコアエッジがとるべき戦略ではない。明確な原則と基準を設け、さらにこれを公開し、逸脱することが出来ないようにすることで、長期的に組織を永らえさせる体制を整えるべきである。
・どんな原則や基準を設けるべきか
EPAの案としては、
・1カード1ファイルコンセプト、1カードコンセプトの原則
・全色レベル2〜5(4か6でもいい)の、カードコンセプト毎のバニラカード=基準カード
この二つがある。
とりあえず、簡単な名称をつけよう。上のが1の原則、したのがバニラ基準、これでOK。短いことはいいことだ。
まず、1の原則は、カードをファイルコンセプトとカードコンセプトの二つの大きな枠組みでくくり、複数のファイルコンセプトとカードコンセプトを持たせないというもの。これによって、蛇足カードの発生を抑えることが出来る。
ここで説明すべきは三つ。ファイルコンセプト、カードコンセプト、蛇足カードは何かである。
・インフレを引き起こす蛇足カードの説明
まず、蛇足カードから説明する。蛇足カードとは、蛇足の能力を有するカードである。蛇足の能力とは、普通に強いのになんか訳の分からないおまけ的なスキルを持ってるようなカードである。単体で強いのに、なんでかしらないけどピンポイントがついてるとか、おまけにつけたうざったらしいDFがあるとか、そういうカードである。なんか、心あたりあるだろう?LHだと、昔のフェティスが持ってた選択ドローとか、よくわかんないドロー性能とかがそれ。
EPAは、この蛇足がカードバランスを壊し、インフレをもたらす重要な要因だと考えている。こういう蛇足が許されるから、安易におまけスキルをつけて、伸び代を食いつぶし、ゲームの寿命を縮めるのである。
そしてEPAは、複数のファイルコンセプトとカードコンセプトを持たせることを禁止するならば、この蛇足が発生する確率は激減すると確信している。というのは、単一の方向に特化していく場合には、そのカードがどの程度協力であるのかを比較するのが容易だからである。バーンを考えてみれば、既にいくつものバーンファイルに入るべきカードは発売されており、これらと単純に比較できるのであり、行き過ぎている場合にはそれが把握しやすくなるからである。
もうひとつ重要なのは、器用なカード、つまり蛇足カードに比べて特化したカードというのはどうしても使い勝手が悪くなることである。LHでも、単純に戦闘力に特化した超強カードより、普通に強くてドロー性能とかSPバックとかのおまけがついていたカードのほうが使いやすい。こういう使い勝手のいいカードは、とりあえず何にでも入れておけばOKというカードになり易く、いかにシナジーを発揮させるかというファイル構築の楽しさを忘れさせ、フォル鯖に特定のカードを溢れさせることになるのである。
したがって、これらの蛇足カードを発生できない環境を作ることは重要であり、そのためにも1ファイルコンセプト、1カードコンセプトの原則は確立されるべきである。
・ファイルコンセプトとカードコンセプト
ファイルコンセプトは、このカードがどのコンセプトファイルに入るのかという観点から定められる。バーンファイル、ファイル破壊、少ないがロックファイルなどが上げられる。
コンセプトファイルの中に、傭兵ファイルや暗殺者ファイルのような、カードタイプで括るファイルを含めるのかは極めて難しい問題である。というのは、これらのコンセプトは、殆どの場合はスタートスキルやオートスキルによって強化を行い、高まった基本スペックで押し切るというファイルであって、コンセプトらしい独特の戦いをするものではないからである。暗殺者ファイルが、相応のコストを払ってあいてユニットを墓地送りだとか、HP=0だとかの強力なスキルで戦うようなものならすごくコンセプトなんだが、実際のところはゴリ押しの高AT高AGIファイルになっている。EPAの見解を示すならば、こういう高いステータスでゴリ押しするようなものは、ファイルコンセプトとはとても言えない。ここでは、基本的に種族ごとのコンセプトはコンセプトとしないことにする。
この妥当性を論じることは、それ自体無意味とは言わないものの、あまり重要な話ではない。というのは、基本的に複数のファイルコンセプトを持っていることが問題になることは稀だからである。アルインドが何故かOPでファイル破壊をしたりしたら蛇足だが、そういうカードは多くない。あったとしても、問題になりにくいのは確かである。
ただし、複数のカードコンセプトだけを禁止した場合には、複数のファイルコンセプトという形で蛇足を行うことが十分に予想されるため、これは両方禁止する必要がある。最も、ファイルコンセプトに関しては、比較的緩やかな基準が適用されるであろうが、これは大目に見ても良いだろう。
最後に、カードコンセプトである。カードコンセプトは、そのカードがどのような役割を持っているのかを定める。
これに関しては、具体例を挙げたほうがわかりやすいだろう。例えば、アタッカーやディフェンダー(壁)である。この時点で、あー、そういうことねっと思った人は多いはず。そういうことなんだよ。
EPAは、複数のカードコンセプトを持つことを、特にALでは厳しく制限制限すべきだと考える。というのは、ALではスタートスキルやオートスキルでユニットを強化するサポーター(普通はどういうのか知りません)が存在するからである。サポーターと他のカードコンセプトを兼ねたカードの多いこと多いこと。弱いわけがないんだよ、そりゃ。
EPAはカードを何らかのカテゴリーに分類して一度整理すべきだと前から思っていた。最初は、ファイルコンセプトによって分けてみればよいと考えていた。これは確かに、ひとつの方法として十分に考えられるべきものだし、現実には無視できない重要性を持っている。しかしながら、これのみでカードを分類することは不可能だということに気がつくまでには、そう時間を必要としなかった。なぜなら、ALにおいては、何のカードコンセプトにも分類されないようなカードが大量にあったからである。もし、小型や中型をファイルコンセプトとして考えるならば、これは分類可能であるが、小型ファイルであるから優れているカードが多いわけではなく、単純に優れた小型を集めたら強かっただけでり、何よりもそうであるから、小型ファイルでなくても十分に強いカードと評価されることになり、結局は小型というファイルコンセプトから説明出来ないということになってしまうのだ。
したがって、ファイルコンセプトに加えて、何か別の方向からカードを分類し、性質を明らかにする必要がある。ここでEPAが着目したのは、カードそのものの性質、すなわちカードコンセプトである。これは、どのレベルのアタッカーなのか、デフェンダーなのか、それともサポートーなのかといったカードの性質を、主にカードパラメーターから判断するものである。もちろん、アタッカー向けのスキルや、デフェンダー向けのスキルというのはあるため、これらも考慮にいれて判断する。
しかしながら、このカードコンセプトに関しても、十分にカードの特性を分類することは出来ないという欠点を有している。どのレベルのどういう役割を意図されたカードパラメーターをしているのかという情報だけでは、どんなファイルに入るのかを特定出来ないからである。またもうひとつの欠点は、それがどの程度強いのかが分からないという点でも大いに問題があるだろう。ただ前者の問題に関しては、ファイルコンセプトと併せてカードを分類することで、解決することが出来る。後者の問題に関しては、ファイルコンセプトとカードコンセプトに分類した上で、上級プレイヤーによるランク付けが行われることで解決可能である。付け加えて言うならば、カードコンセプトの枠で捕らえられないスキルに関しては、ファイルコンセプトの観点から分類可能である。
これらのことから、この二つのコンセプトから、殆どのカードはその特性を説明することが可能であり、これら二つのコンセプトにしたがってカードを分類することは妥当であると言える。
・バニラカードの必要性とは何か
もうひとつ、バニラカードと呼ばれるカードをEPAは作るべきだと思う。これは、こういったカードの存在が選択肢を広げるという点でも重要だが、何よりもカードパラメーターの基準を示すことになり、逸脱したパラメーターのカードを作成し難くする効果を期待できるからである。
バニラカードというのは、何のスキルも持たないユニットカードのことを言う。現在Al2で、事実上のバニラカードが実装された。イクサーアタックが出来ない代わりに他のスキルが発動するという点で、完全なバニラではないものの、イクサーアタック自体が全てのカードに与えられたスキルと考えるならば、ALのシステムにおいて完全なバニラカードというものはないことになり、事実上バニラカードと見なすことに問題はない。
EPAは、全ての色で、レベル2から5のバニラカードを、しかもカードコンセプトごとに作成すべきであると考える。もしくは、色に応じたカードコンセプトのバニラカードである。
例えば、ゴウエンやローティアには、アタッカーのカードコンセプトを持つカードがイメージに合うために、レベル2から5のアタッカーバニラカードをつくり、リフェスとフォルカウではディフェンダーのバニラカードを作ることにする。これで、合計16枚のバニラカードが実装されることになり、各レベルのアタッカー、デフェンダーの基準値というのが非常に明確になる。これらのカードが、スキルを持たない点で基本的なパラメーターは若干高めに設定されることが多いのであり、単純にこれらのユニットカード以上にパラメーターが高いカードは異常である疑いが強くなる。
ただし、このような基準を作成することが必ずしも効果を発揮するとは限らない。というのは、現在のALにおいては、基準値を作成することを運営が放棄したからである。これに関しては、インフレ下におけるバランスの調整という非常の手段で環境を整理したことが原因であり、このような状態になってしまっては、もはやこれが意味あるものになることを期待できはしないだろう。
このような基準値の作成は、カードゲームの中盤、今のAL2の段階か、それより前で行われなくては効果を期待できない。もしくは、現在のALにおいて、基準を再度明確にし、それに併せた大幅な修正を行うのであれば効果を期待できる。ただし、これがために必要になる労力は極めて大である。したがって、現実にこれが行われることを期待できないだろう。
・つまりは基準をはっきりさせよう
基準がはっきりしていないと、デザイナー自身が逸脱させる誘惑に駆られる。また、ユーザーもどういったレベルが基準としてあるのかを共通の認識としてもてない為に、ある程度一致した見解というのが作られにくい。ユーザーの見解がばらばらでは、修正しようとしてもどこに向かえばいいのかを悩んでしまう。
基準を作り、それを示せば、ユーザーはそれが基準だと思い、これを受け入れれない人は去るのだが、これはおそらく一部のユーザーであり、普通は確固たる基準を持っていないのであるから、ゲームを通じた基準がどういうものかという判断力を養うことになる。そうであるから、何か基準をしっかり持っていて、それが妥当なものであれば、ユーザーはその基準を是とする認識を持つことになる。ここにおいて、修正は戦略的に成功する構造を持つのである。
まずは成功する構造を作ってからやる、これがEPA流。